2013-01-01から1年間の記事一覧

12/26 NHK NEWSweb 中国大使館「靖国参拝 中国在留邦人は注意を」

安倍首相は在留邦人に危害が及ぶかもしれないことを承知の上で靖国参拝を決行した。すなわち彼の個人的信念(国家的信念?)を国民の安全の上に置いたのだから、彼の考え方は戦前の指導者と変わるところはない。もしかして偶発的衝突を口実に対中政策に利用…

バーナンキ議長からイエレン新議長へのクリスマスプレゼント

18日にFRBは量的緩和縮小を決定した。この決定はバーナンキ議長の自ら開始したQEに区切りをつけると共にイエレン新議長に政策のフリーハンドを与えた巧みな決定のように読める。FOMCの声明文の主要部分は、こちらに掲載されている。 経済ニュースゼミ「12/19…

安倍政権の合従連衡

太平洋を挟んだ東アジアの情勢は、古代中国の戦国時代の末期を思わせる。西の強勢国家・秦(中国)、東の大国・斉(アメリカ)、北の大国・趙(ロシア)、北の小国・燕(韓国)、南の大国・楚(アセアン諸国)そしてわが日本は老舗意識の強い韓・魏になぞら…

電力:東西の融通

12/8日経「電力、東西の取引3倍」「経産省、15年に境界越えた競争促す」経産省は電力市場での競争を促進するために、電力融通システムを拡充して東西の境界(50Hzと60Hz)を越える電力取引を拡大する。競争促進という美名はあるものの、電力融通シス…

特定秘密保護法:国会が監視に動き出す

12/7日経夕刊「特定秘密 国会が監視」「常設機関の設置検討」「自民」国会がなぜ本法の運用に関与しないのかとしばらく疑問に思っていた。たしか、みんなが国会の監視を当初唱えていたが、いつの間にか取り下げられた。 日経夕刊(前略)自民党は国会に…

11/2日経社説「ネット配信の内外不平等をなくす税制を」

11/2日経社説「ネット配信の内外不平等をなくす税制を」 冒頭のパラグラフ。 電子書籍や音楽などをインターネットで日本企業から買うと消費税がかかるが、外国企業の場合はかからない。こうした制度の抜け穴が来春からの消費税引き上げを控え、問題とな…

貯蓄から投資への好循環は生まれるか

10/24日経「金融ニッポン」「「プロを増やせ」「長期投資が運用力を鍛える」 これは一面の特集記事で「国内の機関投資家は日本株を買わず、相変わらず海外勢の動き次第で株価が上下する。どうすれば日本の市場は厚みを増すのか」と問題提起し、「長期的…

水素発電所

10/24日経「Tech トレンド 水素社会(中)」「世界初の水素発電所」「石炭火力並みコスト視野」 これが計画通りに進めば、電力事情が大きく変わる。(記事の要約) 千代田化工建設は2015年に世界初となる水素の輸入・供給基地を川崎市に建設する。…

ヤフーの出展料、販売手数料を徴収しないモデル

テナントから家賃をもらわない大家さんはいるのかと思う。10/8日経 「ヤフー、出展・出品 無料に」「電子商取引の利用促進」これによってヤフーは「2桁億円の減収になる」見通しだが、出展者がヤフーに載せる広告を増やすことで減収分を補う考えだ(日…

10/4 需要なくしてビジネスチャンスなし

10/4日経 「アジア内需 業績牽引」「利益、内外逆転相次ぐ」「今期、営業益27%増」 アジア主導の収益拡大について日経は、「成長するアジアの内需を取り込んで新たな成長の道を見出す企業が相次ぎ、海外利益が国内利益を上回る例も目立つ。それに伴っ…

岐路に立つ民主党

総保守化が行きつく先の政界の見取り図はどうなるのだろうか。自民(67)公明(11)合わせて76議席、与党を補完する立場の維新、みんなの各8議席を加えると合計92議席。121議席中、76%を占める。単純にねじれが解消されたと喜んでよいのだろうか。アベノミ…

社会保険と財政を丼勘定にする理由

7/14日経社説「年金・医療と財政どう立て直すのか」 この議論は真面目な議論に見えて、実は大事なポイントを曖昧にしている。社会保険と財政は異なる計算原理で収支が計算される。 1. 社会保険は保険料と保険給付の額を計算した上で、制度の持続可能性が測…

ポートフォリオ・リバランスが機能しない理由

7/13日経・大機小機「外貨の足りないニッポン」和悦黒田日銀総裁は、異次元の金融緩和の狙いの一つはポートフォリオ・リバランスであると指摘していた。ところが国内機関投資家は、2月から6月までに外債を10兆円以上売り越した。国内株式も、年金運用分を除…

送電網に蓄電機能を持たせるのはペイするか

7/13日経夕刊「送電網に蓄電機能」「三菱電機 トラブル時、代替給電」 送電線の先に大型蓄電池を設け、電気が届かないときは蓄電池が発電所に代わって10−1,000世帯に1週間以上給電する。 問題はコストである。日経は次のように伝える。 電力会社や自治体の…

アベノミクス:野党はプランBを用意したら

各紙の序盤選挙情勢調査で、与党特に自民党の勝利はほとんど確定的である。野党各党は流れが悪かったと諦めるのか、3年後の同時選挙(?)を目指して布石を打っておくのか、それによって各党の消長にも影響してくるのではないか。 アベノミクスは成功が約束…

アベノミクスの行方:異次元緩和

異次元緩和の発表から3ヶ月がたった。アベノミクスの金融緩和は狙いを達成できるのか。日経経済教室では、7/2と7/3に「異次元緩和から3ヶ月」という特集を組んだ。 7/3は植田和男・東京大学教授「市場の金利予想、不安定に」を取り上げている。 「追加策…

7/2日経 一目均衡「株主主権論からの卒業」

新しい企業統治モデルの提案かと思わせたが、旧来の日本型統治モデルへの回帰への主張であった。主張のベースは株主の権限を制約せよということで、「株主権を神聖視」するのはやりすぎではないかと問う。なぜなら、株主は「責任限定で売却が前提の投資家は…

日経が報じるグーグルの税負担と社説の主張

6/30日経「企業と国 奪い合う富」「国境またぐ節税拡大」 この記事の狙いはグーグルの税負担が、「実際、税引き前の利益に対する法人税の負担割合を示す税負担率で見ると、グーグルは19%、米国の法人実効税率(約40%)を大きく下回る」ことを知らせるため…

思い切った投資減税は経済を上向かせられるのか

自民党は政権公約で大幅な法人減税(投資減税と実効税率引き下げ)を掲げた。これは安倍政権の成長戦略が市場の評価を得られなかったことから付け焼刃的に追加されたものである。 6/20ブルームバーグ http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MOOAW76S972I01.h…

原子力規制基準

6/20日経によれば、新規制基準は次のようだ。 原子力規制委員会は19日、原子力発電所の新しい規制基準を決めた。7月の施行後、規制委は基準をもとに全国の原発の安全性を評価し、ふるい分ける。従来の規制が想定していなかった規模の事故が起きても、…

米企業統治:スプリントとディッシュのクリアワイヤをめぐる争い

6/19日経「スプリントVSディッシュ」「クリアワイヤなぜ争奪」「周波数多く活用の余地」こじれてすぐには分からないがディッシュがこの取引に付け入って何とか利益を引き出そうとしているのではないかと思われる。それもアメリカ資本主義のアニマル・ス…

成長戦略:投資減税は雇用を増やして国民を豊かにするのか

6/16日経一面の興味深い記事。「家電量産に3D印刷機」「パナソニック、コスト3割減」「部品金型、短期で製造」 コスト3割減とは設計や金型部門の人員を同程度減らすという意味で、設備投資を行うことにより雇用は減らすという趣旨である。決して、安倍首相…

川重の社長解任劇

6/14日経によれば長谷川社長の解任が取締役13人(全員社内取締役)中10人の賛成で決まった。6/15日経では続報として、社内の社長解任に至るまでの動きを報じている。日本企業に時折見られるお家騒動の根源は社内の主導権争いであることは川重の例を見ても…

スティグリッツ教授によるアベノミクス論: Japan Is a Model

6/9NYT スティグリッツ教授 Japan Is a Model, Not a Cautionary Tale スティグリッツ教授によるアベノミクス論全体でA4 8枚の長編。前半4/8では安倍以前の日本の状況をレビューし、日本は思われているほど悪くはなかったと解説する。いわく、01年から…

投資減税にこだわる安倍首相は的を外している

投資減税にこだわる安倍首相(下記の読売新聞の記事を参照) デフレを最大の病根と認識している安倍首相が投資減税にこだわるのは的外れ。デフレは供給>需要の需給ギャップがあることから生じていることは安部首相も良く承知されている。つまり、供給は余っ…

成長戦略:市場に迎合する動き

6/8日経「首相、設備投資に減税」「成長戦略で追加策」「市場対応、日銀総裁を信頼」6/5に発表した第3の矢(成長戦略)が不評であったため、あわてて減税を付け加えたのだろう。このところの市場の急変で耳当たりの良いことを言い出すのは、逆に市場から…

投資の禁じ手3Kを推奨する6/3日経特集記事

素人投資家がだまされないためには3Kに注意しなければならないと日経はのたまう。3Kとは(1)海外(2)聞き慣れない金融商品(3)高利回りを指す。 6/2日経電子版「人ごとじゃない投資被害 避ける決め手は「3K」 」を参照。http://www.nikkei.com/news/print-a…

アベノミクス:財政再建への道筋

6/1日経 「骨太の方針明記へ」「社会保障聖域とせず」「70〜74歳の医療費、自己負担上げ検討」本気で借金を減らせるのか、それはよい試みなのか。 日経の「骨太の方針、素案のポイント」によれば、「国・地方の基礎的財政収支(GDP比)の赤字を15年度まで…

アベノミクス:クルーグマン教授の評価

5/23NYTクルーグマン教授のコラム“Japan the Model”。アベノミクスへの中間評価である。 昨日の株価急落はたいした問題ではない。 1987年のブラック・マンデーのときも明白な理由なく株価は急落したがその後の景気回復に影響するものではなかった。 …

法人減税が成長戦略になるのか

5/18日経「成長戦略第2段」「設備投資、年70兆円めざす」「首相、3年で政策総動員」「法人減税など、大胆改革見送り」日経は、法人減税や解雇規制の緩和など企業が求める大胆な改革案は盛り込まれなかった、と不満を表明している。法人減税が見送ら…