貯蓄から投資への好循環は生まれるか

10/24日経「金融ニッポン」「「プロを増やせ」「長期投資が運用力を鍛える」
これは一面の特集記事で「国内の機関投資家日本株を買わず、相変わらず海外勢の動き次第で株価が上下する。どうすれば日本の市場は厚みを増すのか」と問題提起し、「長期的に(運用の)プロを育てる」ことと個人投資家の意識変革(個人が長期の運用成績を見て投信を選ぶ意識を持たないと、運用力による競争がおきずプロも育ちにくい)を解決策に掲げる。

ところが同日の投資・財務面の「企業年金 手探りの運用」によれば、「株高でも日本株離れ」「リスクと利回り、板ばさみ」とあって年金基金日本株離れを報じている。
すごいのはKDDIの年金基金で、KDDIは「日本株をやめて利回りが低下し追加の掛け金が必要になったら責任を持って拠出する」という方針である。
この特集によれば、年金資産に占める日本株の割合は、1999年度末が33%、2009年3月末が18.2%、2013年6月末で11.7%である。

日本株は儲からないというのが年金基金の実地の教訓であったようだ。

日経の「自分の意思で賢くお金を動かす個人が増えれば貯蓄が投資に回り、それが企業を育て個人の富をが増える好循環も生まれてくるはずだ」というのはきれいごと過ぎるのではないだろうか。