バーナンキ議長からイエレン新議長へのクリスマスプレゼント

18日にFRB量的緩和縮小を決定した。

この決定はバーナンキ議長の自ら開始したQEに区切りをつけると共にイエレン新議長に政策のフリーハンドを与えた巧みな決定のように読める。

FOMCの声明文の主要部分は、こちらに掲載されている。
経済ニュースゼミ「12/19量的緩和策の規模縮小が決定されても株価が下がらなかった理由」http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/

注意すべき点は、
However, asset purchases are not on a preset course, and the Committee's decisions about their pace will remain contingent on the Committee's outlook for the labor market and inflation as well as its assessment of the likely efficacy and costs of such purchases.

「しかし、資産購入措置は既定路線にあるのではない。そして、資産購入のペースに関する当委員会の決定は、この措置に伴うメリットとデメリットの比較衡量だけではなく、今後の労働市場とインフレに関する見通しに今までどおり依存する」

「今後の労働市場とインフレに関する見通し」については、政策金利に関して具体的に次のように述べている。
The Committee also reaffirmed its expectation that the current exceptionally low target range for the federal funds rate of 0 to 1/4 percent will be appropriate at least as long as the unemployment rate remains above 6-1/2 percent, inflation between one and two years ahead is projected to be no more than a half percentage point above the Committee's 2 percent longer-run goal, and longer-term inflation expectations continue to be well anchored.

「当員会はまた、少なくても失業率が6.5%を上回り続ける限り、そして、1〜2年先のインフレ見通しが当委員会の長期目標である2%を0.5ポイント以上上回らないと予想される限り、そしてまた、長期インフレ予想が引き続き十分に落ち着いている限り、現在の0%〜0.25%という例外的な低さとなっている政策金利の目標値を維持することが適当であるという見通しを再確認した」


イエレン新議長にとっては、緩和のアクセルをふかすことも弱めることもできる方向付けで、現議長の巧みな引継ぎの仕方に見える。

12/20日経では一面と社説、総合2に詳しく報じられているが、思惑か思い違いか、きちんとFOMCの声明文をトレースしていない。今後の日銀の出口政策の指針となる重要文書であるのに、日経の記事には参考になる内容はあまりない。

ともあれ時代の流れは女性の時代なのか、あちらではオール銀髪の新議長、こちらにも紫色の髪のエコノミストがいます。両方ともがんばれ。