アベノミクス:野党はプランBを用意したら

各紙の序盤選挙情勢調査で、与党特に自民党の勝利はほとんど確定的である。

野党各党は流れが悪かったと諦めるのか、3年後の同時選挙(?)を目指して布石を打っておくのか、それによって各党の消長にも影響してくるのではないか。


アベノミクスは成功が約束された勝利の方程式ではなくいまだ進行中の実験なのである。もし、アベノミクスがうまく行かなかったとき、責任ある政党の対応はプランBを用意して、うまく行かなかった政策からの転換を図らねばならない。
7/5日経「国力高める競い合いを」の「第1のポイントは、アベノミクスという選挙の争点を通じた政策の合意形成である」という指摘は、有権者から選択肢を二者択一に限定する寂しい提案である。そこにプランBが加われば、有権者の選択は広がり、政策論争は豊かになる。


アベノミクスの成果は、今のところ株高、円安に現れている。だが、これらは、まぐれ当たりのような者でたまたま結果オーライとなっただけで、当初想定してシナリオからはぜんぜん外れている。恐いのは、たまたま結果良しとなった流れが巻き戻されてもとの木阿弥になってしまうことである。

他方、政治的には受け入れられないかもしれないが、次の現象は正しい経路を進んでいるように見られる。
1. 物価が上がって賃金が上がらない。
2. 長期金利が0.8%前後で以前より上昇した。
3. 地方にアベノミクスの効果が浸透していない。
また、7/6日経によれば、「6月末銀行貸出残高が2.9%増加し、434.3兆円となった。増加率は4年ぶりで、5月(2.8%)を上回る」ということで、アベノミクスが効果を出してきたと思わせる。

敵失待ちだからプランBが必要になるかどうかはわからない(そうならないことを願う)。それでも、リスクもとらずただ副作用を批判しているだけでは有権者をひきつけるものではない。それに今回に限れば、プランBを掲げるリスクは少ないのではないだろうか。