経済

経済学が心理学に変わった時、

2013年黒田総裁が就任した時、日銀は消費者がインフレ期待を持てばデフレを脱却できるとした。そのために金融を緩和すれば、消費者はインフレ期待を持つと。 現実は、人々の期待は不発で、原料費高、円安が物価を上昇させて、企業は値上げに進む。 今回の物…

日銀総裁に植田和男(71)東大名誉教授が内定

政府が就任を打診した雨宮正佳(68)副総裁は辞退したと報じられている。「今後の金融政策には新しい視点が必要だと」固辞した(2/11日経) 。 植田和男は金融緩和の継続が必要と述べた(2/11日経)。 植田氏は戦後初の学者出身の総裁になる。

日銀の国債評価損が8.8兆円に(昨年12月末)債務超過は免れる、

22年9月末の純資産は5.0兆円だった。時価評価すれば債務超過だが、幸いにも、日銀は国債を満期保有することから時価評価しない(取得価額が簿価となる)。かろうじて債務超過を逃れ ている形だ。債務超過になれば、国費を投入して財務を立て直すのだろう。そ…

岸田首相施政方針演説、次元の異なる少子化対策は?

1/24日経による施政方針演説のポイント 次元の異なる少子化対策、 防衛費増額の財源確保は先送りしない 原発は次世代炉へ建て替え、運転期間延長、 物価上昇を超える賃上げ、 リスキリングや職務給を推進、 さらに少子化対策には、3本柱を掲げる。 児童手当…

米経済の行方に陰り、

米経済の先行きは楽観できない。 ITだけでなく金融にも人員削減が及んできた。 1/19日経「米金融 7,000人規模削減」「GSやMS」「経費見直し、拡大に転機」 GSCEOデービッド・ソロモン「大規模な財政刺激策で多くの資金調達などの活動が前倒しで過剰に行われ…

貯蓄から投資は昔の発想で、今必要なのは貯蓄から消費である

2001年に小泉内閣が「貯蓄から投資」を打ち出した。今では、投資環境は当時とは大きく異なっている。当時は米国の株や投信に投資することは個人にはほとんど無理だった。今では、簡単に低コストで世界中の金融商品に投資できるようになった。また国債残高は…

びっくり10大予想 2023年

当たるも八卦当たらぬも八卦と思って今年の展開を考える。 1/5日経【ニューヨーク=伴百江】ウォール街のご意見番として知られる米投資ファンド大手ブラックストーンのバイロン・ウィーン氏が4日、最高投資ストラテジストのジョー・ザイドル氏と共同で、毎年…

日銀、異次元緩和を転換

12/20日銀は、YCC±0.25を±0.5%に拡大すると発表した。 これを受けて金融市場は大混乱になった。事前に示唆するのは、国債売り、円買いを誘発するので、手荒いけれど不意打ちをくらわすしかなかった。株の下落は思った以上に大きかった。 このサプライズは日…

岸田政権の原子力政策への批判、特に運転期間延長に、

12/7日経経済教室、橘川武郎・国際大学副学長「原発政策の行方 現政権、政策転換には値せず」は、岸田経験の原子力政策の転換、すなわち①次世代革新炉の開発・建設、②運転期間延長を含む既設原子力発電所の最大限活用、を批判している。 ポイント; ・電気事…

貧乏人は麦を食え、と言ったのは池田勇人だったが、

池田勇人のころ、米は高く麦は安かった。貧乏人は麦を食えといったのは経済の道理に則っている。 岸田文雄の時代になって米は安く麦は高い。にもかかわらず、岸田政権は財政支援により輸入小麦を値上げしない。小麦の需要を増やそうとしている。何故か。どう…

40年ぶりの消費者物価指数、大企業は栄え庶民は貧しく、

10月の消費者物価指数が40年ぶりの伸び率、 22年10月 % 82年2月 除く生鮮食品 3.6 3.6 含む生鮮食品 3.7 - 除く生鮮食品、エネルギー 2.5 - 物価が上がるのはやむを得ないとして、問題は実質賃金が上がらないことだ。 前年同期比 % コメント 22年9月 -1.3 …

米IT大手も並みの優良会社になりつつある

11/4日経夕刊「アマゾン、採用凍結」「数か月、景気後退を警戒」 これまでにITバブル、金融危機などの難局を乗り越えてきたIT大手も、ついにマクロ経済の影響を受ける普通の優良企業になってしまうのか。 もしそうだとすれば、これまでのIT株の下落は金利上…

補正予算は必要なのか、景気は悪くない

景気は上向きだ。 にもかかわらず、経済対策、岸田首相「経済下振れに備え」 補正29.1兆円だそうだ。 もしやるとすれば、儲かっている法人から困っている個人への分配の強化であろう。規模は少なくて済む。22年度は、円安で輸出企業の増益に対して、消費者に…

リスキリングの狙いは転職をし易くすることだった、それは解雇をやり易くするためだ。

岸田政権は、雇用の流動化を狙っているようだ。雇用の流動化によって成長分野に人材が流れることを理由に掲げる。 岸田政権の狙いは、希望的観測ではないか。人が動くのは、好待遇の職場を提供できるからだ。 ところが日本の転職市場の現状は、転職すると給…

防衛費、法人増税は選択肢 宮沢洋一・自民党税制調査会長

防衛費を2%に増額する財源(5兆円)について、自民党内に国債や消費増税による財源論があることに対し、宮沢税制調査会長は法人増税は‘選択肢’と述べた(10/15日経)。 台湾有事を想定した防衛費増額の財源については、誰が負担するのか、誰が利益を得るの…

円安はピークをつけるか、

10/13¥/$は147円後半になり、1990年8月以来の32年ぶりの安値となった。 最近の報道では、日米金利差が円安の要因であるかのように報じられているが、根本的な要因は、原油等の輸入増による貿易赤字である。 財務相・令和4年上半期中 国際収支状況(速報)…

「成長がなければ分配の原資は生み出されない」は本当か。

この文章の成長は、分配に関連しているので企業利益の拡大を意味する。 これは前に聞いた言葉と似ている。会社がもうかれば、その利益が滴り落ちる(トリクル・ダウン)。 だがアベノミクスの実験で、トリクルダウンは起きないことが明らかになった。利益は…

岸田文雄首相の所信表明演説(10/3)

1. はじめ 2. 経済政策 新しい資本主義の旗印の下、「物価高・円安への対応」「構造的な賃上げ」「成長のための投資と改革」を重点分野とする。 物価高・円安対応 構造的な賃上げ 成長のための投資と改革 新型コロナ・災害対策 外交・安全保障 選挙制度・憲…

英当局と日本当局の為替政策の違い、

ポンドは円以上に対ドルで低下している。だが、英当局は為替介入には動かない。日本とは何が違うのか。 為替介入は現状維持をする政策だ。輸入企業への補助金でもある。為替不介入は、経済を市場に委ねるということだ。どちらが有効かはすぐに後にわかる。 9…

岸田首相がNYSEで演説、NISAを恒久化するとか、

岸田首相はアメリカの投資家に語りかけているはずなのに、これでは日本向けのメッセージでしかない。アメリカ投資家の胸に響く言葉を届けられないのか。例えば、株式譲渡益課税を全面的に廃止するとか。 9/7/16赤旗、外国人投資家への課税関係、 日本国内に…

為替介入 その効果はどこまで、

1998年以来24年ぶりの円買いドル売り介入を実施した。145円半ばから5円ほどドル安に振れ、23日夕方には142円80銭ほどで推移している。その効果がどこまで続くかは、不透明である。 岸田政権の政策スタンスと金融政策の齟齬がどこまで続くかが、見どころであ…

8月の貿易赤字、最大の2.8兆円

9/15日経夕刊、「8月、13か月連続 資源高・円安で」 大震災後の14年1月の2.7兆円を上回り、過去最大であった。 14年1月は、その後徐々に赤字が縮小して16年には黒字に転じた。今回も同じ動きになるだろうか。心配は、この円安下で輸出数量ベースが-1.2%に…

補正予算の狙い、

岸田政権は10月にも補正予算を編成し、インフレ対応を行うようだ。 現在のインフレ対策は、 低所得世帯への5万円支給、9,000億円ほど ガソリン補助金12月まで延長、これまでに2兆円投入 小麦の政府売り渡し価格の据え置き、 畜産農家への配合飼料価格の据え…

収穫逓減の法則とグーグル、成長に限界

9/10日経「グーグル検索 国別最適化」「アジア主要国にチーム」「ニーズに対応、開発分散」 グーグルも欧米では検索サービスの提供がいきわたり、ネット人口が今後も増えそうなアジアで現地のニーズに合ったサービスを提供するようだ。 これは、欧米では限界…

孔子「過ちて改めざる。これを過ちという。」パウエル議長と黒田総裁の場合

過ちを犯していながら改めないのが、ほんとうの過ちである。過失はやむを得ないが、過ちと気づいたらすぐ改めよ。 子曰、過而不改、是謂過矣。 パウエル議長はインフレ予測を間違えたと批判されることがあるが、だれでも予測を間違うことはある。大事なのは…

日本電産・永守重信CEO会見、小部博志が社長・COOに就任

9/3日経「永守氏一問一答」「社外に後継いると錯覚」「後任選び、実績主義を強調」 永守節は健在だ。今後も小部氏の采配に目を光らせるだろう。 もし次に交代劇があったとすれば、その時が正念場だ。 永守氏のセリフは、まるで青い鳥のようだ。 チルチルミチ…

 8/22日経「複眼、物価高に向き合う」を読んで、

4人の識者・実務家の意見が掲載され、記者がアンカーとして取りまとめる。 第一生命エコノミスト・新家義貴は「高い上昇は長続きせず」「コストプッシュ型のものであり、持続性はない」「物価高による消費の下振れでいずれ販売価格の引き上げもしにくくなる…

資産所得倍増プランが動き出す、その効果は

8/24日経「資産所得倍増へ一歩」「NISA、長期運用に重点」「複雑な制度 簡素化課題」 であるが、肝心の日本の金融商品の魅力が落ちている中で、成果を期待できない。 日本の金融商品は、どれをとっても魅力がないどころか持っていると損をするようなものしか…

ソフトバンクG(SBG)の課税問題、自社株買いに課税への道か

8/20日経一面、「SBG、15年で課税4回」「繰り返す法人税ゼロ」「投資会社課税、ルール見直し議論も」と伝える。 この記事の趣旨は、たっぷり儲けているSBGが15年で4回しか納税していないのはおかしいと、読者の不公平感に訴えて課税強化の機運を高めることな…

22年度Q1(4-6) 実質成長率、前期比0.5%増、年率2.2%増

この流れが次につながるかである。日銀緩和策は、今のところ効果があったように見える。分配にどのようにつなげるかが課題である。 [東京 15日 ロイター] - 内閣府が15日発表した実質国内総生産(GDP)1次速報によると、2022年4―6月期の成長…