2013-01-01から1年間の記事一覧

シャープの経営再建は成功するか

5/15日経「シャープが中期計画」「液晶再生道険しく」「新経営陣発表 前期最終赤字5,453億円」シャープがいよいよ最終章に向けて動き出した。 目玉は人事で、高橋副社長が社長に就き、代表権が高橋社長に集中される、奥田社長、片山会長、町田相談…

アメリカの債券、株式はバブルなのか

アメリカの債券、株式はバブルなのか5/10 10年国債利回り 1.89% 5/10 ダウ平均 15,118 +35国債利回りは依然として歴史的水準の低利回りで、株価は新高値を更新している。 将来的に金融の不安定化やインフレ高進のリスクを招くおそれ…

アベノミクスと財政再建

5/9日経「トヨタ、カイゼン1.3兆円(14年3月期連結純利益)」「金融危機後5年で体質強化」「700万台でも黒字」注目すべきは単独損益の急回復である。 「執念のたまもの」。 8日の記者会見で豊田章男社長は前期の単独営業損益が、2,421億円の黒…

米経済の回復は本物か

アメリカ経済 4月の雇用者数が前月比165千人増となり、NYダウ平均は新高値を更新した。米経済の回復は本物か(下記の日経記事を参照)。クルーグマン教授は長期失業率が改善せず、アメリカの将来に影を落としているとして、財政と金融の両面からさらに…

リスク管理に関して、B787の運行再開

4/27日経 「B787,信頼獲得へ総力」「国交省が運行再開を承認」「国内で確認飛行徹底」我々の感覚では、事故原因が不明なのに飛ばすのは危険ではないかと思うだろう。もしB787の電池事故が国内だけの問題であったら、おそらく原因究明が終わるま…

金利上昇による金融システムへの影響: 日銀金融システムレポート 

日銀金融システムレポート 2013年4月17日 http://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/ 日銀から金融システムレポート(以下、「レポート」)が発表された。 金利変動をスティーブ化(短期金利の上昇が少ない)とパラレルシフト(全期間の金利が同じように上昇す…

金融緩和:陰謀論でFRBの出口戦略を解説する日経

バーナンキ議長が日銀の金融緩和について、「先進国の金融緩和は各国の利益つながる」と擁護した。このバーナンキ発言に対して、日経は陰謀論で議長の真意を解説している。 日本にFRBの出口戦略のババを引かせようとしている(3/31日経 ポジション)…

金融緩和の次は第3の矢(成長戦略)なのか

4/5日経「日銀、緩和策を総動員」「黒田総裁、異次元の政策」「目標、金利から量へ」「国債購入、月7兆円」期待されていた以上の緩和策を打ち出して、市場ではサプライズと受け止められているようだ。 今回の金融緩和の波及経路は資産価格の上昇、為替相…

会社は株主を選べるか、西武とサーベラスのTOB をめぐる対立

西武とサーベラスのTOB をめぐる対立は、会社は株主を選べるかという古くからの問題を蒸し返している。英米流で割り切れば、会社は株主のものだから会社が株主を選ぶというのはとんでもない話になる。ところがこれが日本の企業社会になると、企業の社会的…

3/26日経経済教室「日銀新総裁の課題」 翁邦雄・京都大学教授

3/26日経経済教室「日銀新総裁の課題」「量的緩和、出口の展望必要」「デフレ脱却後に難問」「財政状況が物価安定左右」翁邦雄・京都大学教授ポイント; ・ 量的緩和は出口後に巨額の財政負担が発生 ・ 財政制約で適時に金利上げられるか懸念も ・ 財政…

キプロス後のグローバルな資本移動の展望

3/24NYT クルーグマン教授のコラム「ホットマネー(熱銭)の憂うつ(Hot Money Blues)」。 キプロス後のグローバルな資本移動がどのようになるかを展望したものである。 キプロス危機の結末がどのようになろうとも、一つだけ確実なことがある。今後数年間は…

3/25日経 金融緩和政策に関し対照的な記事2本

3/25日経 金融緩和政策に関し対照的な記事が2本掲載された。 1. 核心「かくも重き黒田氏の使命」「アベノミクスを超えて」 2. 経済教室「日銀新総裁の課題」「期待への働きかけ強化を」「緩和効果、説明丁寧に」「通貨戦争の批判当たらず」伊藤隆敏・東…

スティグリッツ教授のコメントLessons from Japan's Economic Malaise

Project-syndicate org. (http://ja.wikipedia.org/wiki/PROJECT_SYNDICATE) に公表された3/12付スティグリッツ教授のコメントLessons from Japan's Economic Malaise。このメモは明らかに読者に安倍首相を念頭において書かれている。最後には同じ問題に直面…

キプロス  Treasure Island Trauma

地中海の小国キプロスがユーロ圏を揺るがしている。 3/21NYT クルーグマン教授の Treasure Island Trauma がその実態を暴く。キプロスはタックスヘイブンでマネーロンダリングの場となっていることはあまり知られていないようだ。次のサイトでタックスヘイブ…

安倍総理大臣、ジョセフ・ユージン・スティグリッツ教授との会談

平成25年3月21日、安倍総理は総理大臣官邸で、コロンビア大学のジョセフ・ユージン・スティグリッツ教授による表敬を受け、次のように述べた。(「首相官邸」より)「日本ではこうした政策は主流的な考えではなかったのですが、私がこういった主張をし…

3/13日経ポジション「低金利、陰の主役は年金」

3/13日経ポジション「低金利、陰の主役は年金」 相場が熱くなると出てきそうなエピソードが日経に掲載されていた(下記の引用を参照)。 「情報信ずべし、しかも亦信ずべからず」(菊池寛 我が馬券哲学)を思い起こす。 3/14日経経済教室「デフレの…

米株価新高値 クルーグマン教授 The Market Speaks

3/7日経・米ダウ平均が過去最高値を更新した「米株高 3つの原動力」「大企業復活」「シェール革命」「緩和マネー」「財政・雇用に不安」日経は米株価について米経済の強さの反映であるとして(投資家や経営者の立場から)肯定的であるが、債券高株高は経…

3/5日経「日銀総裁候補 所信表明の要旨」 黒田東彦氏 物価目標の達成時期を明言

3/5日経「日銀総裁候補 所信表明の要旨」「資産買い入れ不十分」「各国中銀と連携重要」黒田東彦氏物価目標の達成時期を明言。所信表明では「物価目標を一日も早く実現することが何よりも重要な使命となる」と述べていたが、質疑応答では維新・中田宏氏に…

3/3日経「日曜に考える」「国債金利の急騰はあるか」 与謝野氏と嶋中氏

3/3日経「日曜に考える」「国債金利の急騰はあるか」 与謝野馨氏 「上がる瞬間 予測不可能」「財政再建は政治の責任」 嶋中雄二氏 「政府の想定 当面超えず」「円高・デフレ脱却が先決」全然スタンスの違う二人の意見を並べても、議論は深まりそうもない。…

3/2日経・特集記事「新日銀、脱デフレへの道」

3/2日経・特集記事「新日銀、脱デフレへの道」「大胆緩和 出口にも関門」「未踏の領域へ」「市場の信任カギ」この特集記事の前半は新執行部による緩和手法を伝え、その効果について「未踏の領域へ」という認識を述べていて客観的なものだが、後半で出口論…

2/27日経・総合2面「イタリア政局、長期混乱も」

2/27日経・総合2面「イタリア政局、長期混乱も」 同・国際1面「イタリア混迷 欧州に暗雲」「反緊縮、波及の恐れ」 同・社説「イタリア再生にねじれの壁」まるでユーロ危機が再燃するかのような報道である。確かに世界の金融市場の動きを見るとそう思っ…

2/26日経「落日の民主」 野田氏の離脱

2/26日経「落日の民主」「何を間違えたのか」 「小沢さんとくっつくつもりなら考えないといけないなあ」。野田は13日夜、都内のレストランで側近の長島昭久(51)や政権時代の後見役で政界引退した藤井裕久(80)と日本酒を酌み交わしながら語った…

2/23「環太平洋経済連携協定(TPP)」に関する共同声明全文

アベノミクスの三本目の矢が放たれた。 「(自民党の政権公約に盛り込んだ)聖域なき関税撤廃を 前提条件とする以上は交渉に参加しない、ということは国民との約束で、それにのっとって判断したい」。 今後の国内利害関係者との調整、交渉プロセスが見もので…

アベノミクスの奇妙なねじれ:賃上げか賃下げか to raise pay or not

安倍政権は賃上げと賃下げを同時に行おうとしている。どちらが正しいのか。 民間へは賃上げ、公務員には賃下げの両面展開である。 2/13日経「アベノミクス、賞与でアピール」「首相、異例の賃上げ要請」「参院選前に成果急ぐ」 安倍晋三首相は12日、経…

電力システム改革専門委員会報告書

2/9日経・電力システム改革専門委員会報告書(以下、「報告書」)が公表された。 骨子は次の通り。 2015年に電力需給を広域で調整する機関(広域系統運用機関)をつくる。16年には電力小売りを全面自由化し「地域独占」をなくす。電力会社の配送電部門…

アルジェリア人質事件

今回のアルジェリア人質事件では日本人の犠牲者が最も多かった。 武装集団の狙いは「キリスト教徒だけだ」と言っていたのに腑に落ちない。 フィリピン人も多くは日揮のスタッフであったと見られる。たまたま武装集団の攻撃ポイントに日本人が多くいたのか、…

安倍経済学(ABENOMICS)への応援

クルーグマン教授の1/13NYTコラム「Japan Steps Out」より。 安倍経済学はクルーグマン教授の唱えていた政策をそのままに実践しようとしている。Japan Steps Out http://www.nytimes.com/2013/01/14/opinion/krugman-japan-steps-out.html By PAUL KRUGMAN F…