2019-01-01から1年間の記事一覧

生産性向上は経営者から、働き方改革ではない

幸せ食堂(京都)残業ゼロなのに年収600万円を払えるという記事があった。 この記事を読むと、つくづく働き方改革は労働者の働き方が悪いから生産性があがらないというのは悪質なキャンペーンだと分かってしまう。 まず経営者にはどうすれば無理をしないで付…

あの百均ダイソーがAIの先進企業

ダイソーのAIへの取り組みを伝える記事を見た。 6/17 Business Insider(BI) ダイソー快進撃を支える「毎晩105億件データ処理」する需要予測システムはどう生まれたか https://www.businessinsider.jp/post-192845 ダイソーの企業規模は、とてつもなく大きく…

安倍政権の人手不足対策 今度は就職氷河期の世代を対象

産業界からの要請であろう。前後見境なく人手をかき集めようとしている。 最初は、老人や主婦を集める。曰く「人生百年」とか「女性の活躍する時代」と。 技能実習制度と語学留学生の大量流入 特定技能者という外国人労働者の受け入れ拡大 働き改革による余…

米フェイスブックが発表した通貨「Libra(リブラ)」

ビット・コインのような投機商品ではなく、日本円、米ドルやユーロを裏づけとする通貨。2020年のサービススタート。Libraを管理したり送金したりするための専用ウォレットアプリは「Calibra」という名前となり、同名のFacebookの子会社が開発・運営を担当す…

シャープがJDIを支援

6/15日経は、シャープの戴正呉社長とのインタビュー記事を載せる。 戴社長はJDIへの支援について、「何も話は来ていないが、シャープとしてはオープン。私からではなく、向こうからそういう要請があれば検討する」と述べている。 JDIを支援する予定の台中連…

アメリカが独禁法のGAFA規制新解釈 消費者の不利益 競合買収、プライバシー保護

米の反トラスト法の見直しは消費者への直接的な影響を判断基準としてきたのを、その解釈を拡張するものである。具体的には、競合の買収やプライバシー保護の不備も消費者への不利益とみなすものである。 日本では、プラット・フォーマー(PF)と出品者の関係…

親子上場の利益相反 ルノーと日産の場合

国境を越えた親子上場の利益相反があらわになっているのがルノーと日産の膠着である。 この問題を解決する一つの切り口は、少数株主ファーストの観点である。 日産がルノーの完全子会社となる 日産がルノーの持株を買い戻す。43対15の持株比率を15対15にする…

老後に2,000万円必要になるという金融庁審議会の報告書

6/11麻生金融担当大臣は「世間に対して不安や誤解を与えており、政府のスタンスと違う」と述べ、正式な報告書としては受け取らないことを明らかにした。 金融庁報告書がマクロ経済の課題に対する回答であったら、零点、落第である。麻生大臣が経済学として間…

高齢者の運転事故 リスク管理手法の導入を検討できないか

6/4 福岡市で車が逆走、6台巻き込まれる、9人搬送 6/6 名古屋・錦で3台多重衝突 87歳弁護士が運転ミスか この外にも、池袋、大阪市此花区などでの老人による事故が発生している。運転操作を誤ったのが原因のようだ。 簡単な例で考えてみよう。 1KMの道路…

ルノーとフィアットの統合構想は1年前から検討されていた

6/6各メディアは、フィアットはルノーとの統合案を取り下げたと報じる。日産と仏政府が統合にためらったためだという(6/6WSJ)。 以下は記録のためである。 6/4ロイターは、統合構想は1年前から検討されていて、日産にも伝えられたと報じている。 これだけ…

原因と結果の因果関係 アベノミクスのごっちゃ混ぜ

安倍首相は、最低賃金を早期に1000円に引き上げることを主張している。 だが、賃上げは成長の結果の果実である。結果だけを格好良く見せるのは、偽装である。 こんなことはアベノミクスでしょっちゅう見られる。代表例が、金融緩和による2%物価上昇である。…

フィアット(FCA)、ルノーと経営統合 日産はどうなるか

統合会社はオランダに置く。統合会社の株主は、フィアット株主50%、ルノー株主50%となる。取締役会は、フィアット4、ルノー4、日産1、その他(たぶん独立)2、計11。 目立つのは日産の取締役枠が1名で、これでは日産はフィアット、ルノーの言いなりになっ…

日本の低生産性 悪いのは労働者か 主犯を見逃すな

働き方改革とか副業推奨とか、働く人への圧力が高まっている。労働生産性の低いことが理由とされている。 5/23日経社説「AIに人が負けない労働4.0政策を」はAIへの対応を労働者に求める。 一連の政府による働き方キャンペーンは、肝心の主役を隠している。一…

JDI破綻 官製企業再生は無理なのか

JDIの頓挫について、日経経済教室は3連載でその原因を探っている。5/21上、利益無視の技術神話見直せ、長内厚・早稲田大学教授、5/22中、技術と経営の掛け算を、若林秀樹・東京理科大学教授、5/23下、創造へアジアと連携を、中田行彦・立命館大学名誉教授で…

行き詰るコンビニ・ビジネス・モデル

コンビニのビジネス・モデルが社会の変化に対応できず、軋んでいる。 これまでは過重労働でも、売上が伸びる限りはFCにも利益が伸びるので不満は少なかった。今はフロンティアが開拓され尽くされ、いわゆる収穫逓減の法則が支配する世界に入ってきた。今の体…

日産の今後の行方

5/18日経 日産の取締役候補を伝える。 日産出身 3、ルノー出身 2、社外 6 計 11 社外がどちら寄りなのかは分からないが、しばらく統合は棚上げになるかもしれない。ルノーの出方次第である。 西川CEO は続投であるが、業績低迷の責任は免れない。4年連続の減…

トヨタ・パナソニック、住宅事業統合 将来への布石なのか

5/10日経が「市場縮小、背中押す」と伝えている。 統合の仕方があいまいで狙いがはっきりしない。トヨタもパナも、同率出資で住宅会社を連結子会社から外す。これでは、どちらが主導権をもって住宅事業を牽引するのかがわからない。しかも両社の住宅事業を統…

低金利の影響 家計と金融機関を犠牲にするアベノミクス

5/10日経は、マイナス金利導入からの各経済主体への影響を試算したみずほ総合研究所の数値を報じている。 期間はマイナス金利が導入された16/2から18/9の2年7ヶ月。 単位:億円 損失 利益 差引 1 家計 615 460 -155 2 金融機関 11,503 3,864 -7,639 3 企業 1…

ルノーが経営統合を提案、日産の主張(拒否)は通らないだろう

4/27日経は伝える。「ルノー、持株会社提案へ」「第三国に本社、役員同数」「日産は慎重、曲折も」と。 ・日産の企業統治改革専門委員会は何を議論していたのだろう。委員会では日産の企業統治ばかりが議論され、ルノーの企業統治には触れていないようだった…

株主有限責任とは株主に与えられた特権である

株主は出資を超えた負債の返済義務を負わないとする株主有限責任がある。投資家は、株主有限責任が株主に与えられた特権であることを認識して投資活動を行なっているか。 規律を重んじるなら、DEレシオは100%以下であるべきだが、現実にはそれを越えるケー…

IT先端人材55万人不足と大学無償化

4/24日経「先端人材55万人不足」「30年、AIやIoT」「経産省試算」という記事があった。調査は経産省の委託を受け、みずほ情報総研がまとめた。 大学救済策にしか見えない大学無償化の予算額(7.8千億円※参照)をこちらに振り向けたらどうなのか。人手不足と…

 YouTube CEOスーザン・ダイアン・ウォシッキーとのインタビュー記事の驚き

スーザン・ダイアン・ウォシッキー(Susan Diane Wojcicki、1968年7月5日生まれ )(日経はウォジスキと表記)。 4/21日経はスーザンとのインタビュー記事を掲載した。 驚かせるのは、Utube には1月当たり20億人の視聴者がいて、1分間に500時間分の動画が投…

令和改元、識者9名中8名が支持

4/20日経は、政府の公表した議事概要から、有識者懇談会で9名の有識者のうち8名が令和を支持し、内1名は他の一案と令和を推薦した。他の1名は、他の案を支持したと伝える。 この報道で政府に対して疑問に感じる点: 1. 「令」はこれまでの元号や天皇号に使わ…

The Economicsコラム「アマゾン、効率化にAI活用徹底」

4/16日経に掲載されたエコノミクスの表題コラム記事がアマゾンの戦略部門の4名の責任者を取り上げ、アマゾンの業務改革を伝える。AIへの取り組みが、日本企業よりはるかに先行していることに驚かさせる。 ビジネスモデルが制度疲労を起こしている日本のコン…

日産取締役会は推定有罪で司法に前のめりになっている

4/8日産臨時株主総会でカルロス・ゴーン(CG)取締役の解任が決議された。日産取締役会は推定有罪の立場からCG追放を一義としているように見える。 取締役会の使命は、経営の監督と株主利益の擁護であるはずだ。CGが有罪かどうかは司法が決めるべき事柄であ…

Brexit You can check out anytime you like. But you can never leave.

Eaglesの Hotel Californiaは、どんなにあがいてもBrexit出来ないテリーザ・メイや万物を飲み込むブラック・ホールを歌っているように聞こえる。まるで、現代を予知していたかのように。 メイ首相はどうすればよいのか。その答えもこの歌の中にある。 So I c…

プラットフォーマー(PF)が電力の自由化に参入するとどうなるか

4/8日経経済教室「電力全面自由化3年」依田高典・京都大学教授は、GAFAが電力自由化に参入した場合の衝撃を述べる。 依田教授は「可能性は空想にとどまる」と限定するものの、「情報を利益に変換することに成功したら、もはや日本企業は太刀打ちできなくなる…

令和への改元は、暦を現代化する千載一遇の機会だった

令和元年は令和ゼロ年にすべきであった。 日本の暦はいまだにゼロ年を含まない時代遅れの暦である。 脱中国を唱えながら、都合の良い時は伝統を守ると指導者はのたまう。 令和への改元は、ゼロ年を導入する大きなきっかけであったのに、惜しいことであった。…

コンビニ経営に介入する経産省のおかしさ

コンビニの24時間問題が政府へも波及して、4/5経産省はコンビニ大手の経営者を集め、経営改善を要請した。 世耕経産大臣は言う。「オーナーの不満が高まっている。本部が向き合い、共存共栄のため自主的な取り組みを行なうことで持続的に発展して欲しい」と…

日経の元号の感覚は古代と変わらない

3/31日経第一面「新元号あす公表」「政治・外交…転機の予感」大場俊介記者 第一面の上半分ほどを使って、大々的に記者の感想を掲げる。 曰く「バブル経済の崩壊や政治の混乱を経験した平成が終わり、新しい元号は時代をリセットさせる」と。 元号に魔法の力…