高齢者の運転事故 リスク管理手法の導入を検討できないか

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この外にも、池袋、大阪市此花区などでの老人による事故が発生している。運転操作を誤ったのが原因のようだ。

 

簡単な例で考えてみよう。

  1. 1KMの道路で、100台の車と行き交うケース
  2. 1KMの農道で、1台の車と行き交うケース

単純計算で、リスクは1のほうが2よりも100倍高い。

 

今の道路交通法では、形式基準で年齢に係わりなく免許を与えている。リスクの視点からは、高リスクの道路での免許は適格者(一定の年齢以下の運転者)にのみ交付し、低リスクの道路での免許は道路交通法の形式基準で交付する(事故があっても本人だけが被害を受ける)のが適切ではないか。

現に事故が起きているのは、繁華街ばかりで、田舎での事故は報じられていない。

 

形式基準は一見公平のように見えるが、走る凶器となって他人に危害を及ぼすのは、自己責任の範囲を超える。都会の老人は公共交通機関が利用できる。他方、田舎の老人は地力で運転して公共・商業施設へ行くしか移動手段は無い。

 

その為に道路での交通量調査、年代別の運動能力シュミレーション測定、危険道路への進入禁止システム構築など準備が必要だが、若い世代が犠牲になって老人が生き残るというパラドックスを解消しなければならない。IoTやConnected Carが実用化される時代、テックを利用しない手はない。