株主有限責任とは株主に与えられた特権である

株主は出資を超えた負債の返済義務を負わないとする株主有限責任がある。投資家は、株主有限責任が株主に与えられた特権であることを認識して投資活動を行なっているか。

規律を重んじるなら、DEレシオは100%以下であるべきだが、現実にはそれを越えるケースが多い。

 

4/26大機小機「機関投資家の節度」猪突は、この問題を考察する。

有限責任は株主の当然の権利だと考える投資家の所有比率が増えると深刻な問題が生じる。自己資本を最小化し、負債を増やせとの声が大きくなるからである」、「流石に自己資本を最小化せよとは言いにくいので、ROEを高めよという響きの良い要求をする。ROEを高める最も簡単な方法は自己資本を減らすことだ。機関投資家の所有比率が高まると、このような非倫理的な要求が大きくなる。株主のモラルハザードだ」、「モラルハザードをどのようにして抑えることが出来るか。市場管理当局の知恵の使いどころである」と。

 

日経はROEを高める方策として、繰り返し資本を減らすことを勧めていたが、モラルハザードの一端を担っていたのである。日経の意見に盲信せず、その主張の裏を洞察しないとこのせちがらい世間を乗り切れない。