令和改元、識者9名中8名が支持

4/20日経は、政府の公表した議事概要から、有識者懇談会で9名の有識者のうち8名が令和を支持し、内1名は他の一案と令和を推薦した。他の1名は、他の案を支持したと伝える。

 

この報道で政府に対して疑問に感じる点:

1. 「令」はこれまでの元号天皇号に使われなかった言葉である。なぜ、今回新規に使われることになったのか。有識者はそのことを国民に分からせる必要があったのではないか。もし「令」に良い意味が含まれていないなら尚更である。例えば、国語辞典では「令」の意味に、「古代中国の官制で、地方長官。特に、郡県制に」と説明されている。そういう意味で避けられていたなら、不敬である。

 

2. 有識者懇談会に先立ち政府は、昭和から平成への改元の記録を「今年3月末で保存期間の30年を迎えたが、歴史的公文書の保管と公開を担う国立公文書館(東京都千代田区)へ記録を移さず、保存期間を5年間延長することを決めた」。国民には前例を周知して、比較させて判断する材料を提供することが必要であった。令和の経緯だけを素早く発表するのは、都合のいいことは早く、都合の悪いことは遅らせるという政府の姿勢に見えてくる。

 

3. 国書という用語の使い方は適切ではない。国書には、国撰というニュアンスがあるように響く。万葉集は、大伴家持の私撰集である。国書ではなく日本古典という分かりやすい表現が適切であった。

 

昭和→平成改元、記録公開いつ? 政府、保存5年延長

毎日新聞2019年4月1日 東京朝刊

政府は1989年1月に元号を平成に改めた経緯の記録を内閣府に保存したまま、主要な部分の情報公開請求にも応じていない。今年3月末で保存期間の30年を迎えたが、歴史的公文書の保管と公開を担う国立公文書館(東京都千代田区)へ記録を移さず、保存期間を5年間延長することを決めた。記録を現状で公開しない対応や、公文書館への移管を先延ばしした判断は妥当なのか。