フィアット(FCA)、ルノーと経営統合 日産はどうなるか

統合会社はオランダに置く。統合会社の株主は、フィアット株主50%、ルノー株主50%となる。取締役会は、フィアット4、ルノー4、日産1、その他(たぶん独立)2、計11。

 

目立つのは日産の取締役枠が1名で、これでは日産はフィアットルノーの言いなりになってしまう。統合会社、フィアットルノーの階層(カースト)で、日産はボトムの最下層。

これがルノーが用意していた反撃なのか。

この体制では、日産は技術と富を吸い上げられ、恩恵は少ない。現在の経営陣が温存されたままでは、少数株主の利益を考慮していないとの批判は免れない。

 

5/28日経は各社の株式時価総額などを伝える。

 

フィアット

ルノー

日産

時価総額、兆円

2.7

1.8

3.1

格付け

BB+

BBB

A-

利益率、EBIT %

4.7

6.3

2.7

フィアットルノー時価総額の差を調整するため、フィアットの株主には25億ユーロ(0.3兆円ほど)の特別配当が支払われる。それでもルノー株主に有利に見える。

日産の株主には時価総額が最大であるのに、何も払われない。

 

日産は、企業統治改革専門委員会で何を議論していたのか。今回のように何があっても少数株主利益ファーストの姿勢が見られない。現経営陣の地位保全を話し合っていたのではないか。少数株主は完全に蚊帳の外に置かれている。