安倍政権の人手不足対策 今度は就職氷河期の世代を対象

産業界からの要請であろう。前後見境なく人手をかき集めようとしている。

  1. 最初は、老人や主婦を集める。曰く「人生百年」とか「女性の活躍する時代」と。
  2. 技能実習制度と語学留学生の大量流入
  3. 特定技能者という外国人労働者の受け入れ拡大
  4. 働き改革による余った時間から(収入減を補うため)、副業の推奨
  5. 70歳定年制の導入
  6. 最後にこれまで手つかずであった、就職氷河期世代の活用

 

人手不足対策の順序がおかしい。まず、6が最初に来るべきであった。

6/16日経社説「氷河期世代の支援にもっと知恵を絞れ」は、「1993年からの10年間の、採用を極端に絞った30代半ばから40代後半の世代。無就職者は40万から55万人、不本意非正規社員は50万から70万人」と伝える。

 

およそ100万人が忘れ去られていた(トランプ流の表現ならthe forgotten men and women)。若い時ほど仕事のスキルは身につくのに、アベノミクスの6年間は時間を空費していた。トランプ大統領が2016年から唱えていたのに、意見が完全に一致する安倍首相はやっと2019年になって彼らに目を向ける。

彼らが年収500万円の仕事を得ていれば、GDPは年間5兆円増えたことになる。6年間で30兆円。供給者にしか視点が向かないアベノミクスは、人的資源の大きな無駄に手をこまねいていた。