ルノーが経営統合を提案、日産の主張(拒否)は通らないだろう

4/27日経は伝える。「ルノー持株会社提案へ」「第三国に本社、役員同数」「日産は慎重、曲折も」と。

 

・日産の企業統治改革専門委員会は何を議論していたのだろう。委員会では日産の企業統治ばかりが議論され、ルノー企業統治には触れていないようだった。自分たちの意見を通そうとするなら、相手の言い分にも耳を傾けるのが教養あるビジネスマンである。ルノーはフランス市場での上場会社である。彼らにも守らなければならない規律がある。

 

・お互いの主張が取締役会ですり合わせられないなら、最後には株主総会で決着をつけるしかない。ルノーは43.4%を握るので、簡単に過半数または2/3の支持を得ることができよう。

 

・日産がそれを回避するには、ルノーから30%の株を引き取ればよい。日産の時価総額は3.8兆円なので1.1兆円ほど(上乗せ分はカウントしない)。

 

・もうひとつの案としては、日産がルノー過半数の株を握る。現在15%を持っているから、追加35%である。ルノー時価総額2.2兆円であるから、0.8兆円ほど(上乗せ分はカウントしない)。こちらのほうが安い。

 

持株会社が出来てからでは、時価総額が6兆円ほどになるので資金負担が多すぎる。

 

・Buy my Abenomics と言っていた首相のいる国であるから、資本主義のルールに従いことを進めるのが道理が通る。さもなくば信頼を失い、誰も近づかなくなるだろう。

 

・日産の主張は「金は出さない、アライアンスは維持する、口は出させない」であるが、 そんな自分にだけ都合の好い主張は通用しない。

 

参考;

株式時価総額 日産3.8兆円、ルノー2.2兆円

持株比率   日産 15%  ルノー 43.4%