ルノーとフィアットの統合構想は1年前から検討されていた

6/6各メディアは、フィアットルノーとの統合案を取り下げたと報じる。日産と仏政府が統合にためらったためだという(6/6WSJ)。

 

以下は記録のためである。

 

6/4ロイターは、統合構想は1年前から検討されていて、日産にも伝えられたと報じている。

 

これだけの大きな動きだから水面下で非公式に、色々な動きがあるのが自然である。インサイダー情報であるので公表できなかったのだろう。

 

日産はルノー株式15%を保有しており、統合会社には7.5%の保有割合になる。

日産が大きな発言権を得るには、7.5%以上の保有割合となって、取締役を今の提案の1名から引き上げることが必要である。

 

(6/8追記)

今回の騒動で、フランスの資本主義はアングロ・サクソンのそれとはかなり異なることが明白になった。

  1. 株主である仏政府が統合交渉に直接介入していること。
  2. 6/7日経の伝えるルノーの取締役会の構成。

仏政府代表2 + ルノー出身1 + 労組代表4 + 日産2 + 独立10=19

 

1は、マクロン大統領の政治的弱体化が背景にあるのだろうか。なかなか考えられない展開である。

 

日産にとって、このような株主介入の強い国の企業の株式よる支配を受け続けると、仏政府からの仏ファーストの要求が出てきて日産の利益が毀損する恐れがある。そのためには、ルノーの持株に色をつけて買い戻さなければならない。両社の持株比率を15対15 の対等な関係にして、そこでアライアンスを再考するのが良いのではないか。

金を惜しんでいる場合ではないだろう。それとアライアンスは別の問題である。

金を出さないで、対等のアライアンスを維持するのは虫の良い考えである。

 

6/4ロイター 日産はFCAとの提携に楽観視、適正な条件は必要=関係筋

https://jp.reuters.com/article/renault-m-a-fiat-chrysler-nissan-idJPKCN1T424G

(日産)幹部によると、日産は1年あまり前、ゴーン会長(当時)の指示でFCAと統合した場合のメリットの初期調査を開始した。