あの百均ダイソーがAIの先進企業

ダイソーのAIへの取り組みを伝える記事を見た。

 

6/17 Business Insider(BI)

ダイソー快進撃を支える「毎晩105億件データ処理」する需要予測システムはどう生まれたか

https://www.businessinsider.jp/post-192845

 

ダイソーの企業規模は、とてつもなく大きく、広がっている。

BIの記事によれば、18年3月で売上4,548億円、店舗数5,270、商品数70,000、進出国27

小売業の特徴は、いわゆる「ニッパチの法則」(売り上げを支える売れ筋商品は全体の2割という法則)。いかにして売れ筋商品の在庫を把握し、将来の需要を予測して、欠品なく並べ続けるかは生命線だ。(パレートの法則のようだ)

 

ダイソーのシステム課長・丸本氏はPOSデータの統計的解析から個店ごとの需要予測をして欠品をなくす「自動発注システム」(2015年導入)に取り組んだ。

 

まず少数の店舗で試験導入が行なわれた。結果は非常に良く、すぐに経営陣から「全世界でこのシステムを導入すべき」とGOが出たが、そこで大きな問題に突き当たった。

 

全世界5270店舗あるなかで、既存の方法で処理すると、一晩の間に処理できるのはわずか200店舗だった。国内に限ったとしてもわずか7%でしかない。

 

処理件数の数字を見積もったところ、この先30日の需要予測も含めて、全世界の店舗に適用するには、毎晩「105億レコード」という莫大な数を処理しなければならないことが判明した。

全世界店舗数5,000 × 商品数70,000 × 需要予測30日=105億レコード

 

(以下は、アマゾンのクラウドの宣伝めいているかもしれないが.....)

なんらかのイノベーションを取り入れなければ解決できない……そう考え、技術的な検証を重ねた結果、データベースは巨大なデータ件数に向いたAmazon Redshift、またシステムはクラウド化し、さらに仮想サーバーではなく、コスト的に有利なサーバーレスアーキテクチャー(Amazon Lambda)を採用することを決めた。

データ処理時間の比較

データ件数   現状      クラウド

1万      0.06秒       3秒

1億      36秒       5秒

100億     2,040秒      6秒

 

この記事から、生産性が低いと見られる小売で最先端の技術が活用されていることを知る。その背景にあるのは、明確な企業目標と経営陣の明快な後押しである。

ダイソーの店舗は9AMから9PMの通常時間帯の営業で、24時間の人海戦術なんて非人道的なシステムは採用しなくとも繁盛している。