2014-01-01から1年間の記事一覧

アベノミクスの黄昏、相次ぐ円安警戒論

政府要人、財界から円安警戒論が相次ぐ。 極め付けは安倍首相のこの発言だ(引用記事参照)。 首相は口先介入で相場に影響を与えたことに満足しているかもしれないが、金看板のアベノミクスを否定する迷言である。為替が動けば、産業界や家計に影響する。経…

ノーベル物理学賞受賞 中村修二教授 起業

10/8日経夕刊に中村教授の発言が引用されている。「米国の研究者にはたくさんの自由がある。アメリカンドリームを追いかけるチャンスがある。日本にはそういうチャンスはない」と指摘した。 「日本の会社で何かを発明したとしても、ただボーナスをもらうだ…

ソニー復活の日と企業統治

ソニーは2009年3月期から15年3月期までの7期中6期が赤字計上。とても上場営利企業とはいえない惨状である。ソニーに限らず、パナソニックやシャープも酷いことになった。その前には日立もおかしくなった。富士通やNEC には以前の面影はない。揃いも揃って愚…

クルーグマン教授:消費税率を5%に戻す!

消費税率の10%への引き上げを延期すべきだという声は結構あるけれど、5%に戻すという意見は、さすがにクルーグマン教授ならではだね(下記WSJの記事)。 教授の提言が採用されることはあり得ないだろうし、まともに論じられることもないだろう。 それでも…

すさまじい朝日新聞バッシング

狂気のような朝日たたきだ。 いわゆる「吉田証言」、「吉田調書」そして「池上不掲載」が一斉に噴き出した。 首相自ら批判の先頭に立っているのはどうしたことか(引用記事)。このバッシングでの最大の勝者は、首相とその支持者たちだ。ついに、テレビと新…

円安は行き過ぎなのか

米ドルが107円を越え、108円も視野に入ってきた。貿易収支は、8月までに26ヶ月連続の赤字である。貿易赤字が続くので、円高が望ましそうだがそうとも言い切れない。産業界からは105円前後が妥当との声(下記記事参照)があるが、彼らは海外に生産拠点を移し…

金融緩和と消費増税のダブルパンチ

個人消費が伸び悩んでいる。 9/7日経は、「夏の天皇不順に加え、増税による物価上昇ほど賃金は増えていないためだ」とする。そして「当面は設備投資が景気を支える公算が大きい」と観測する。だが内需も外需も弱いのに設備投資が「支える」というのは、希望…

企業献金:社外取締役はどう判断するか

経団連は自民党への政治献金を再開するようだが、今話題となっている企業統治の面から政治献金はどのように取り扱われるのか。 経済学者である社外取締役: 今日の大機小機「健全な資本主義と献金の矛盾」カトー氏。「経団連は健全な政党を支援するのは社会…

A級戦犯法要に哀悼文=自民総裁名で「祖国の礎」―安倍首相

ここまでやって、国内の右翼支持層からは賞賛されるだろうが、海外には首相を攻撃させる材料を与えたオウン・ゴールである。死者を「魂を賭して祖国の礎となられた」と称えても、今生きている私たちには迷惑としかいえない。「哀悼の誠をささげます」と明言…

公的年金(GPIF)の株式売買

GPIFの買いは、信託銀行の買越しだけを見ていてはいけないというロイターの報道。EFPという手法があるので現物と先物を合算する必要があるそうだ。 8/20 ロイター http://jp.reuters.com/article/JPshiten/idJPL4N0QQ15R20140820?sp=true ウクライナやイラク…

4−6月GDPの発表について

消費増税の反動減の影響で年率6.8%減となった。最大の要因は消費が16.3兆円減ったことである。 今後については、設備投資の積み増しと個人消費の回復で緩やかな成長軌道に戻る(8/14日経)と言われている。設備投資は、日本政策投資銀行によれば14年度の設…

8/10日経「株投資の上限撤廃」「公的年金、20%台に拡大」

8/8(金)に日経平均が454円安(14,778円)になったのを受けての口先介入。シカゴの先物は、この報道に先んじて15,000を回復しているので、月曜日の上昇は約束されている。口先介入の効果があったかどうかは、月曜日の引けや今週末までの株価の推移を…

曖昧さ

理研発生・再生科学総合研究センター副センター長・笹井芳樹氏が亡くなった。恐れていた最悪の進展である。これ以上の才能の損失がないことを願う。研究不正があったかどうかもわからないうちに、あたかも不正があったかのように人間性まで否定するような非…

日経「中小減税など廃止・縮小」「法人税下げ財源に」「今年度期限の2,500億円対象」

1%の税率減で、5千億円の財源が必要になるという。「恒久減税には恒久財源」というスローガンはわかり易いようで、問題の焦点を見あいの増税へと誘導している。もうひとつの財源は、支出の削減であるのだが、それが唱えられることは一度もなかった。例えば…

伊藤忠商事 CPグループと資本提携

伊藤忠は、第3者割当増資でCPが5%弱を保有する事実上の筆頭株主になる。 伊藤忠は、増資で1,024億円を得る一方で、1,100億円の自社株買いとCPFへ870億円(HKD66億、25%取得)の出資を実施する。ネットで946億円の資金流失。CPは、出資比率を無視すると、…

成長戦略:企業統治と法人減税

成長戦略の骨子 第2 3つのアクションプラン 一 日本産業再興プラン 1緊急構造改革プログラム(産業の新陳代謝の促進) ① コーポレートガバナンス(企業統治)の強化 二 戦略市場創造プラン 三 国際展開戦略企業統治の強化がいの一番に掲げられている。 不…

成長戦略:女性の活躍、隗より始めよ

6/24発表の成長戦略。第2 三つのアクションプラン 2.雇用制度改革・人材力の強化 ・ 女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築 ・ 有価証券報告書における役員の女性比率の記載を義務付け などが打ち出された。また政府は「指導的地位に占める女…

 6/23日経「中古取引、軽減税率で特例」「課税、売買の差額に」

中古品取引は販売価格ではなく、購入額と売却額の差額に消費税を課す。 の特例は、消費者にもいくらかのメリットはあるが、主として中古販売業者を優遇するものである。本来のあり方は次の例で考えればよく分かる。 個人が中古品販売業者に100で中古品を…

ロイター アングル:浜田・河合教授らが日中韓関係改善を提言、首相官邸は受け取らず

安倍首相への浜田教授などの経済助言者から異例の外交への注文。経済を二の次にして右翼的アジェンダに突き進む安倍首相への危機感は強いようだ。 6/20 ロイター アングル http://jp.reuters.com/article/jp_Abenomics/idJPKBN0EV06V20140620 [東京 20日 …

Yahoo! ニュース  容疑の男「心神喪失」…アンネ本破損、不起訴へ

とうとうこういうことで幕引きになった。動機、背景など知りたいことは多かったのだが。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140619-00050020-yom-soci 容疑の男「心神喪失」…アンネ本破損、不起訴へ 読売新聞 6月19日(木)7時52分配信 東京都内の図書館な…

日経「株比率上げ前倒し指示」「首相、公的年金9−10月に」

首相は3日、(田村憲久)厚労相にGPIFに資産運用見直しの前倒しを要請するよう指示した。 少し前に、麻生財相がGPIFの株式の投資比率を上げるようなことを言っていたが、今度は首相自ら動き出す。アベノミクスは株価対策であったことがあらわになった。 日経…

消費税:経理方式 インボイス軸、軽減税率で4案、公明も容認姿勢

消費税収は約12.5兆円。この対象売上高は250兆円である。ところで12.5兆円は申告された税額である。時折、消費前を業者が納付しなかったり、仮想取引で納税分を隠すことが報じられる。実際に消費者はどれだけ消費税を払っているのか説明されるこ…

電力会社に二重のしばり

5/21の福井地裁の判決(下記に引用した日経の記事)は、電力会社にとって頭の痛い問題である。原子力規制委員会の審査をパスしても、司法のほうからストップがかかるのではやりきれない。とはいえ、5/23日経社説のように、判決は非科学的だとか、規制委…

次第に強化される検閲制度

「美味しんぼ」問題で同シリーズは休載となり、出版社の自主規制により事実上の発禁処分となった。 安倍首相は、「根拠のない風評には国として全力を挙げて対応する」(5/18日経)と根拠もなく「根拠のない風評」と決め付ける。 作者は取材に基づくと主…

5/16日経 首相「憲法解釈の変更検討」、「集団的自衛権 容認に意欲」

外交や軍事の機微に触れるものであるから、喫緊の課題として集団的自衛権が必要かどうかは外野からはなんともいえない。でも、首相の政治手法については大きな疑問がある。 1. 今の国会は最高裁の判決で違憲状態にある。違憲状態の国会から生まれた内閣も違…

法人減税は効果があるのか

法人減税の拡大均衡効果。 日本企業が国内にとどまる、海外企業が日本へ進出する、労働者が足りなくなる、賃金が上がる、景気が上昇する、税収が増え財政が改善する。労働者の不足には海外の労働者の受け入れを増やす、専業主婦を働かせる、拡大均衡の見本で…

安倍首相:今年は靖国へ行くのかな

オバマ大統領の訪日が終わり、政府首脳はほっとしているのだろう。 共同声明には尖閣を書き込んでもらった。何とか重要五品目は決着を先延ばしできた。上出来であった、と。それにしては、政府首脳は頭を下げて賓客として招いたのに、口が悪い。麻生「オバマ…

哲学なき法人減税論

安倍首相はどうしても法人減税をやりたいようだ。曰く、日本企業が海外へ逃げていく、海外の企業が日本に進出してくれない、と。ただ税率が高いか安いかだけで、これが安倍首相の税に対する考え方であるというものが伝わってこない。損得論で説得するのも一…

TPPから生まれる余剰労働力

建設業界では職人が不足して海外から技術者を受けいれる案が検討されているそうだ。安倍内閣の賃上げ方針とどのような整合性があるかは良く判らないけれどそれは置いておこう。政府の役割は国民に十分な職を保障して国民が安心して暮らせるようにすることだ…

配偶者控除廃止で6,000億円の増収

政府税制調査会が14日に開かれ、法人減税が議論されたほか、配偶者控除見直しの議論も始めた。「配偶者控除は、主婦が働く時間を抑えるなど、女性の働く意欲を阻害している」ので、配偶者控除を廃止・見直しするそうだが、税収増が目的のようだ。配偶者控…