次第に強化される検閲制度


美味しんぼ」問題で同シリーズは休載となり、出版社の自主規制により事実上の発禁処分となった。
安倍首相は、「根拠のない風評には国として全力を挙げて対応する」(5/18日経)と根拠もなく「根拠のない風評」と決め付ける。
作者は取材に基づくと主張している。


国なり県が名誉を毀損されたとして訴訟を起こせばよいのだが、風評被害という中身のないことを言い立てて作者と出版社を追い詰める。どうして取材に基づく作品の発表が非難されなければならないのか。


出版社も腰が引けている。本来作者を守るべき出版社は、商業的に不利と見てなのか抵抗もせず白旗をあげた。


国の本件に対する機敏な対応に比べ、私たちに尻切れトンボでその後の経緯を知らされない事件がある。
アンネの日記」の件である。逮捕されたことまでは報道されたが、その後のフォローが全然ない。容疑者の氏名や動機、背景など知りたいことは多いが、何一つ報道されない。これでは、「誤った」歴史を実力で隠したり、改める行為を暗黙のうちに奨励しているようなものだ。


頼りにするメディアは、去勢されたのかすっかりおとなしくなった。

2,3年後の漫画は、ゼロ戦や特攻隊の作品ばかりが目に付くようになるのだろう。