ノーベル物理学賞受賞 中村修二教授 起業

10/8日経夕刊に中村教授の発言が引用されている。

「米国の研究者にはたくさんの自由がある。アメリカンドリームを追いかけるチャンスがある。日本にはそういうチャンスはない」と指摘した。
「日本の会社で何かを発明したとしても、ただボーナスをもらうだけ。米国ではすぐ起業できるのが大きな違いだ」と述べた。


日本ではかねてより起業が少ないことが経済低迷の一つの要因であるされている。起業を増やす施策は色々実施されるがその成果は芳しくない。

中村教授の指摘は起業を増やすことに大きな示唆を与える。日本の研究者には「たくさんの自由」がない。「たくさんの自由」を与えて、優秀な研究者が組織からスピンオフしてジャパニーズドリームを追求できる社会を構想できないものか。日本社会のあり方がいびつなのは、中村教授が頭脳流出したことや、笹井博士を自死に追いやったことに示される。

企業は優秀な人材を囲い込もうとする。他方で、残業代を支払わないとか不要になった人材を簡単に切り捨てるとか研究者の発明の成果を企業のものとするとか、企業側に有利な施策を要求する。これでは、働く者の行き場がなくなる。

この息詰まるような雇用慣行を改めるのが起業を増やす第一歩にならないだろうか。例えば、中村教授をアドバイザーにしてどうしたら優秀な研究者がスピンオフできるかを検討したらどうか。当然、財界からは企業に弓引いた中村氏を受け入れることはないだろうけれども。

追記(10/10):
10/9日経 
問:日本に戻る考えはありますか。
答え:それはない。仕事はこちらでと決めている。裁判も決め手になった。大勝したら日本に残ろうと思っていたが、そうならなかったので米国に移った。この選択は間違っていなかった。

コメント:何があって日本嫌いにしてしまったのか。日本人受賞と浮かれているけれど、彼はアメリカ人になった。日本は失った損失を悔いるべきである。