2016-01-01から1年間の記事一覧

ソフトバンク:アリババ株式売却益を3年後に計上

アリババ株式の売却(100億ドル)のうち、34億ドル分は直接売却するので当期に計上(売却益は2,000億円)、66億ドル分は強制転換社債を発行することにより3年後の20年3月期に計上する(売却益は4,000億円から5,000億円)と9/14日経は報じている。株式の引渡…

日銀の総括的な検証

終戦後の日銀総裁は法皇と呼ばれるほど絶大な力を持っていた。法皇で思い起こすのは後白河法皇である。 平安時代の絶大な権力者であった後白河法皇(1127〜1192)にも制御できないものが三つあった。「鴨川の水、双六の賽、山法師、是ぞ朕が心に従わぬもの」…

ベネッセの社長交代

6月末の株主総会で選任された福原賢一氏が代表取締役副会長に退き、社外取締役の安達保氏が10/1付けで社長に就任することになった。9/10日経は「ベネッセ迷走止まらず」「わずか3ヶ月、また社長交代」「創業家の意向はない」と報じている。 日経の報道はベネ…

未来への投資とは何のことか

未来への投資とは変な言葉だ。投資はすべからく未来に向けて行う。未来への投資と言ったときそれを発した御仁の頭には必ずや過去への投資というフレーズがあったはずだ。 過去への投資があることを国民の頭に刷り込むことを意識していたのだろう。過去への投…

原発のリスク管理

核のごみ最終処分場候補について人口密度を基準としないことを経産省は決めた。こんな姑息なリスク管理を無視した手法では地域やそこに住む住民の安全は守れない(下記9/2日経を参照)。人口密度を基準にすると地方との交渉が進まないからこのような姑息な逃…

平和な日本;SMAP解散騒動

NYTでSMAPの解散が報じられている。 日本国民への衝撃を知るには、Beatlesの解散を思い起こせとまで言っている。 SMAPはいまや世界的な存在である。日本の国会で日本経済への影響に対する懸念が語られ、安倍首相にまでコメントが求められた。日本は平和その…

8/8 天皇陛下、お気持ち表明

象徴天皇の役割を深く考えた表明だった。同時に天皇家の存続に強い意志を示していると受け止めた。 お気持ちはシンプルで分かりやすい。 1. 象徴天皇のあり方についての考え 2. そこから象徴天皇は現役で活動すべきとの主張 3. 高齢のため現役で活動すること…

出光「企業価値向上か、創業家統治か」

相変わらず日経は経営側と創業家という対立図の中で出光問題を描こうとする。劇画風だけど、東スポならこんな表現でも良いのだろうけど日経がこれではミスリードするだけだ。創業家とは会社法にも企業統治指針にも特別のステータスを与えられた関係者とはさ…

今日は立秋

とはいえ昨日の京都は37.9c、当分収まりそうもない。4年後の昨日は東京オリンピックが開催される。本当にこの猛暑の中でオリンピックをやるつもりなのかね。熱中症で観客がばたばた倒れて、主催者側から白頭や禿頭の幹部が再発防止に努めますと言って大げさ…

8/3日経「財務相、政策協調を確認」「40年債増発検討を表明」

ビックリしたのは「増発した40年債を日銀が市場を通じて買い入れれば、日銀が間接的に長めの資金を政府に供給しているように見せかけられる」の記事で、日経はこれまでの「財政ファイナンス論」を捨て去ったことだ。日経内でも色々議論が分かれているのだろ…

東電:不思議な国の資本主義

東電の廃炉費用への支援案が7/31日経に報じられている。 簡単に言うと、株式会社は有限責任なのに無限責任会社に変わる。 利用者はすでに支払った電力料に追加で料金を払わされる。利用者がなぜペナルティを払わなければならないのか、軽く見られている。過…

EU離脱 英国人はLeavesが好き

英離脱から1ヶ月余りが過ぎ世間の論調はようやく落ち着いてきているようだ。 7/29「大機小機」「英離脱というチャンス」(記恩)は離脱に対して肯定的な評価をしている。 企業経営や経済への影響を中心に離脱にネガティブな報道をしていた日経が少し見方を変…

ウナギの資源保護 親ウナギVS シラスウナギ

今年のウナギは高くなりそうだ。シラスウナギが不漁だったそうだ。日本ウナギは絶滅危惧種になっているから資源保護が必要なのは誰でも分かる。だがその動きは鈍い。既得権益者が資源保護を妨げているのであろうか。子や孫のためにつけを残してはいけないと…

リニア新幹線へ国の介入:制約条件の理論 - TOC (theory of constraints)

民間のリニア新幹線プロジェクトに政府が補正予算で金を出して、品川・大阪間を同時開通することが伝えられている。 政府が民間のプロジェクトに相乗りするのは政府の経済構想力の貧困さを示している。「民に出来ることは民に」という小泉首相の教えはとっく…

ソフトバンク:ARM買収はペイするのか

孫社長の予測(下記日経記事)では、今後20年でアームのチップは1兆個ばら撒かれると言う。2015の決算の数値をそのまま延長すると、1兆個では期待利益率の分が回収できそうにない。現状と同じ純利益率35.0%では株式評価額は350億ドル。買収金額は320億ドル…

ARMとニケシュ

3兆円のディールに投資銀行に2%(600億円)の報酬を払っても、世間の人はそんなもんかと思う。ところが給与を160億円払うと高すぎると批判する。企業対企業の取引では市場価格があるからそれで妥当だと納得する一方で、給与だと妬みがあるのか高すぎるとい…

ヘリコプターは飛ぶのか

ベン・バーナンキが官邸を訪問した(7/12)。世間ではヘリコプター・マネー導入かと噂される。日経はヘリマネーの露払い役になっているようだ。 ・6/7日経経済教室「ヘリコプター・マネーの是非」元英金融サービス機構(FSA)長官、アデア・ターナー「日銀の…

信用創造のメカニズム

マイナス金利で貸し出しが増えるという魔法の呪文からそろそろ目を覚ます時だ。 ウィキでの信用創造の説明。 銀行が貸し出しを行う過程で信用創造は発生する。以下は、そのプロセスの一例である。 1. A銀行が、X社に1000円の貸し出しを行う。 2. X社の所有す…

今上陛下、退位の意向

7/14日経「天皇陛下、退位の意向」には驚いた。ニュースソースは「宮内庁関係者」とのこと。 ここしばらく英国の政権の行方が注目を集めていたのが、一気に国体のあり方に関心が急旋回しそう。 歴史用語では生前譲位といわれていたと思うが、マスコミの報道…

女を活躍させない日本

英国保守党首候補がテリーザ・メイとアンドレア・レッドソムの二人の女性に絞られた。マーガレット・サッチャー以来の女性首相の誕生で亀裂の入った英国社会は修復されるだろうか。英国の党首選は議員が候補者を絞り、最後は党員による選挙で日本とは逆だ。…

7/1 21:21ダッカでの邦人犠牲

痛ましい事件だ。首相は「テロと断固として戦う」と前から唱えているが、安倍内閣の下でテロの犠牲者は歴代内閣の中で最大である。テロリストからの警告は前からあった。それにどのような対応をしていたのだろうか。後藤健二、湯川遥菜の両氏が拘束された時…

EU離脱 Great Britain or Little England?

離脱派の指導者であったボリス・ジョンソンは保守党首選に出馬しない。残留派のテリーザ・メイと離脱派のマイケル・ゴーブが競うが、両者共に強固派で英国の利益の擁護を第一とする。どちらが首相になってもEUと激突してLittle Englandになりそうに思える。…

ソフトバンク ニケシュ・アローラ副社長の退任

孫社長はまだしばらく社長を続けたくなったのでニケシュに伝えたと説明していたが、真相は何だったのか色々な憶測があった。7/1日経「SEC,アローラ氏巡り」「ソフトバンクを調査」の記事がその回答だ。 アローラ氏がSBに加わった(14年秋)(15年6月代表取…

EU離脱は社会の進歩か後退か

最近のマスコミの報道はEU離脱を否定するような論調一色だ。中には正解だったというへそ曲がりがいてもよさそうに思うのだが、そんな奇特な報道機関はない。財界や選挙を控えた官邸の意向を反映しているのだろうか。昨日のNHKや朝日はお嬢さんアナウンサーを…

EU離脱 It's the economy, stupid

EU離脱の要因が色々言われている。その一つとして「移民」が指摘されている(6/25日経「英EU離脱」「グローバル化と成長に試練」)。「移民」説はロンドンの現象を説明できていない。ロンドンの移民割合は39%(英国全体は12.3%)、残留支持は60%(ロンド…

国民投票でEU離脱決定

次の動きは① UK解体の方向、② 離脱交渉の行方である。 ① 既にスコットランドは独立の意向を表明している。北アイルランドも追随しそう。ウェールズは離脱賛同が多数なのでUKに残る。イングランドもUKに残るが、EU参加で繁栄するロンドンが単独でEU加盟に動く…

英のEU離脱

いよいよ国民投票が23日に迫ってきた。離脱が決まると円高、株安になると日経は盛んに煽り立てる。ところが市場は日経の観測とは少し違う動きを示している。日経平均コールオプションの残高が増えているというのである。6/16日経相場欄「株オプション 建て玉…

英離脱が招く破壊ドミノ

6/5日経「日曜に考える」に引用されるFT 表題の記事。チーフ・ポリティカル・コメンテーターのフィリップ・スティーブン氏。英国がEU離脱を決めると、ロンドン、北アイルランド、スコットランドの3地域はEUとの関係を維持しようと動く。ウェールズは予想が難…

日経はヘリコプター・マネーに方向転換するのか

いちぬーけたー、って三菱UFJ銀行が国債プライマリー・ディーラー(PD)の地位を返上することを決めた(6/8日経)。いよいよ投資家の国債離れが始まった。これからもPD返上が続くだろう。その先にどんなことがあるのか想像したくはない。国債問題の究極的な…

消費増税の再見送り、与えられた猶予期間に何の手当てもしないのは不可解

消費増税が15年10月から17年4月に先送りされ、さらに今回19年10月へ再見送りされた。その理由は、サミットでG7首脳と共有された「世界経済の大きなリスク」に全ての政策を動員するということであった。6/3自民党は参院選の公約を発表した。公約の要旨(6/4日…