ヘリコプターは飛ぶのか

ベン・バーナンキが官邸を訪問した(7/12)。世間ではヘリコプター・マネー導入かと噂される。

日経はヘリマネーの露払い役になっているようだ。
・6/7日経経済教室「ヘリコプター・マネーの是非」元英金融サービス機構(FSA)長官、アデア・ターナー「日銀の財政資金供給不可避」、「規律ある枠組みで実行を」を掲載。
・今月になって「やさしい経済学」に若田部 昌澄・早稲田大学教授が「ヘリコプター・マネー」の解説を連載した。

少し前までの日経なら財政ファイナンスだとして騒ぎ立てていたのに、大きな方向転換だ。官邸からの働きかけがあって世間の反応を探っているのであろう。このような動きがあるとすれば、マイナス金利も日銀の提案でなく官邸からのプッシュがあったのだろう。
日銀の独立性なんかどうでもいいのだ。

浜田教授は「一度限りという条件ならヘリマネーを検討してもよい」と語ったと伝わるが、官邸内ではヘリマネー派の力が強くて、本来やりたくない浜田教授がそこまで追いつめられていると言う事だろう。

ヘリコプターは飛ばせるだろうけど、無事に戻ってこられるのか心配だ。マネーを積みすぎて、墜落してしまうのではないか。

この実験に賛成できない理由は;
1. ゲームが公正でない
Heads I win, tails you lose. という言葉があるように、成功すれば提唱者の手柄になり失敗すれば国民がつけを払う。2年以内にデフレから脱却すると豪語した御仁は、できなければ辞めるといっていたのにまだ席に残っている。

2. リフレ派の信頼は失われている
3年半たってもインフレの兆しは見えない。だからもっと効き目の強い政策をと唱えているのだが、これまで駄目だったのに今度は上手くいくとは思えない。


そろそろデフレが経済をおかしくしているという教義を捨て去る時であろう。経済が弱いからデフレになっているとまともな考えに戻るべきだ。
原因と結果を逆転するレトリックとは手を切るべきだ。