ベネッセの社長交代

6月末の株主総会で選任された福原賢一氏が代表取締役副会長に退き、社外取締役の安達保氏が10/1付けで社長に就任することになった。

9/10日経は「ベネッセ迷走止まらず」「わずか3ヶ月、また社長交代」「創業家の意向はない」と報じている。
日経の報道はベネッセの混乱を伝えている。

日経の記事が伝える交代の背景は、(基幹事業の)立て直しが急務で、経営体制を強化する必要があった(福原氏)、(原田氏の突然の退任による)混乱を収める必要があった(福原氏)ようだ。そして日経は「迷走を止める手立てはあるだろうか」と締めくくる。

日経の記事には企業統治への言及が少ない。わずかに創業者の関与があったかどうかと新社長は創業者のお気に入りであることに触れているぐらいである。

もし福原氏の登板が「事業の立て直しが急務」であるなら福原氏を推薦した取締役会の眼は節穴だったことになる。「混乱を収める」ことであるなら、福原氏を推薦した取締役会は株主にうそを言っていたことになる。取締役会が自分の仕事をしなければ株主は判断を下すことは出来ない。

せめて中間決算で福原氏ではだめだということであれば、いくらかは説得力があっただろう。福原氏の次のポストが代表取締役副会長というのは、社内的な人事異動という感じを匂わせる。