ソフトバンク:アリババ株式売却益を3年後に計上

アリババ株式の売却(100億ドル)のうち、34億ドル分は直接売却するので当期に計上(売却益は2,000億円)、66億ドル分は強制転換社債を発行することにより3年後の20年3月期に計上する(売却益は4,000億円から5,000億円)と9/14日経は報じている。

株式の引渡しが3年後になるので20年3月期の売却益計上で理屈は通りそうに見えるが、国税当局はそのまま見逃すのか。
所得税改定で配偶者控除の廃止が議論されているが、大衆を狙い撃ちにしないで大物を狙うほうが効率が良いと思う。
配偶者控除を利用している大衆へのバッシングはすさまじい。曰く、専業主婦がメインだった時代は終わった、103万円の壁で働かなくなる(まるで怠け者みたいな言い方だ)、所得控除より税額控除のほうが低所得層に有利だ、等々。これだけ色々な屁理屈が出てくること自体が、廃止に大義名分がないことを示している(税収増が真の狙い)。

ところでソフトバンクのスキームは、コール・オプションの売却とみなせないだろうか。対価の受け取りとリスクの移転は社債発行によって実行されているのだから事実上この取引はクローズしている。
ソフトバンクの「株価への影響回避」という説明も疑わしい。この66億ドル分の売り先がハッキリしていない。すぐに市場へ放出する売り先とも思えない。疑問点として残る。

6/2東洋経済ソフトバンク、「アリババ株4%売却」の舞台裏
http://toyokeizai.net/articles/-/120849?page=2
次に50億ドル分(注)の担保提供である。担保提供先は某金融機関で、会社名は非開示。50億ドルのアリババ株は3年後に償還を迎える仕組み債の担保として提供する。償還を迎える3年後に、現金か、アリババ株か、現金とアリババ株の組み合わせか、のいずれかの方法を、今回のために新設したソフトバンクのグループ会社(ニケシュ・アローラ副社長がトップを務める中間持株会社の完全子会社)が選ぶ。

(注)その後66億ドルに引き上げられた。