出光「企業価値向上か、創業家統治か」

相変わらず日経は経営側と創業家という対立図の中で出光問題を描こうとする。劇画風だけど、東スポならこんな表現でも良いのだろうけど日経がこれではミスリードするだけだ。

創業家とは会社法にも企業統治指針にも特別のステータスを与えられた関係者とはされてはいない。会社法では持株の多寡で株主の権利が詳しく規定されている。企業統治指針は株主主権が大前提である。

出光問題とは、大株主に対する経営側の反乱であるとするのが法的に正しい見取り図である。日経は経営側と経産省プロパガンダにのせられているように見える。日ごろ企業統治指針への遵守をうるさく唱えているのだから、こんな時にこそ企業統治指針からの観点でこの問題に迫ったらどうなんだ。

大株主でも判断を誤ることはあろう。だがそれが自己責任による彼らの判断だ。少数株主は市場で離脱を選択できる。経営陣と役所の言い分を無批判に垂れ流すのは会社法企業統治指針を否定することである。