英のEU離脱

いよいよ国民投票が23日に迫ってきた。離脱が決まると円高、株安になると日経は盛んに煽り立てる。ところが市場は日経の観測とは少し違う動きを示している。日経平均コールオプションの残高が増えているというのである。6/16日経相場欄「株オプション 建て玉急増」はプットもコールも増えているという。市場の読みが日経の観測を上回るかもしれない。
最近の円高や株安の本当の要因はアベノミクスの失速や日銀緩和策の行き詰まりであるのに、日経は必要以上に離脱問題に責任転嫁しているように見える。

離脱派は20年までに離脱交渉を終えることを発表した。交渉は白か黒かを決める単純なものにはなりそうもない。事実上残留と見られる線で決着するかもしれない。少なくとも離脱派が勝利しても、次の日からがらりと風景が変わるものではない。英国人の現実主義が発揮されることになろう。

6/12日経「日曜に考える」「英のEU離脱 是か非か」に80年代のサッチャー政権で財務相として規制改革や民営化に活躍したナイジェル・ローソン氏が登場した。氏は御年84。EU離脱運動の中心人物である。
とっくに過去の人と思っていたローソン氏が旗振りをしている。離脱派の人物像は低学歴の中高年の労働者が多いというステレオタイプなものであるが、ローソン氏はオックスフォード大卒の上流階級である。


世界は一方で中国やロシアのように拡張主義を前面に出す国と、英国やアメリカのように孤立主義に向かう国に二分されている。日本はどちらへ向かうのかな。