消費増税の再見送り、与えられた猶予期間に何の手当てもしないのは不可解

消費増税が15年10月から17年4月に先送りされ、さらに今回19年10月へ再見送りされた。

その理由は、サミットでG7首脳と共有された「世界経済の大きなリスク」に全ての政策を動員するということであった。

6/3自民党参院選の公約を発表した。公約の要旨(6/4日経)によれば、消費増税の再見送り中にどのような手を打つかが語られていなかった。つまり、15年10月から17年4月に先送りしたのと同じスタンスで消費増税に向き合うということのようである。ただ先送りするということの他に政策の発動はない。

このようなスタンスであれば、19年10月までは、さえない消費、低迷する物価というこれまでと同じことが継続する蓋然性が高いと言わざるを得ない。

15年10月から先送りしたのに消費が低迷したのは、アベノミクスに消費の足を引っ張る誤った政策が含まれていたと疑うべきであろう。安倍政権は3%の引き上げが未だに影響していると言っているが、それは無責任だ。19年10月までに消費をもたつかせている政策を取り除くのが今要請されている。

19年10月に近づけば、オリンピック後の40年不況の記憶がよみがえり、再々延期が取りざたされるだろう。安部首相の本音は消費税の凍結や廃止にあるようにも見える。それは、共和党的な小さな政府を目指す経済ビジョン"Starve the beast"に似通っているように見える(ばら撒きや公共事業偏重は違うけれど)。