今上陛下、退位の意向

7/14日経「天皇陛下、退位の意向」には驚いた。ニュースソースは「宮内庁関係者」とのこと。
ここしばらく英国の政権の行方が注目を集めていたのが、一気に国体のあり方に関心が急旋回しそう。
歴史用語では生前譲位といわれていたと思うが、マスコミの報道では生前退位というようだ。例えば日本書紀皇極天皇紀には乙巳の変蘇我氏を滅ぼした後、皇極天皇は「讓位於輕皇子(軽皇子に位を譲る)」とある。マスコミで生前退位にコンセンサスがあるのはどのような根拠があるのだろうか。生前退位では皇位空位にすることも含むように思える。
皇室典範の下では「譲位」を行えないことを踏まえて「退任」と表現しているのであろが、生前譲位がシックリくる。

今上陛下は平成太上天皇あるいは平成上皇、皇太子は天皇の御子でなければならないので(皇室典範の制約)秋篠宮殿下は皇太弟と称され、皇室は平安時代風になってきます。

7/14日経では、原武史放送大学教授は「陛下のご意向で政治が法律の改正をするとなれば、天皇の政治介入という問題が生じる」と指摘している。 
所功京都産業大学名誉教授は「政府や国会は、先送りしてきた。もっと問題を直視すべきであった」と述べるが、政府はこの問題をどう扱うかに苦慮していたに違いない。

政府が先走って動けば位から引き降ろそうと画策していると批判されるかもしれない。天皇のほうから動けば政治への介入という批判がある。両すくみで動けなくなっていたのだろう。
そこで今回の「宮内庁関係者」からのリークで観測球を上げて世論の反応を探ろうとしたのであろう。時は参院選後で与党と与党サイドに立つ勢力の合計が参院の2/3を占め政局が安定しているこの時期を狙ったのだ。

どうやらニュースソースは官邸からのようだ。
2016年 07月 15日 ロイター  生前退位、年内にも骨子案
政府内で杉田和博官房副長官をトップとする極秘の担当チームを6月に設置し、検討を始めていた。有識者会議も発足させ、意見を聞く方針だ。複数の政府関係者が14日、明らかにした。