3/13日経ポジション「低金利、陰の主役は年金」

3/13日経ポジション「低金利、陰の主役は年金」
相場が熱くなると出てきそうなエピソードが日経に掲載されていた(下記の引用を参照)。
「情報信ずべし、しかも亦信ずべからず」(菊池寛 我が馬券哲学)を思い起こす。


3/14日経経済教室「デフレの本質」岩井克人国際基督教大学客員教授は総需要と総供給からデフレとインフレを考察していて分かりやすい議論である。「ハイパーインフレを心配するのはまだ早い」は、「心配する必要はない」と言い切っても良かったのではないか。また、それを未然に防ぐ政策を実行するのは中央銀行だけのように書いてあるが、財政サイドも重い責任を負っている。

金利、陰の主役は年金
http://www.nikkei.com/markets/column/position.aspx?g=DGXNASGC12015_12032013EE8000
2013/3/12 21:47
 年金の運用機関が国内債券を大量に買っている。円高修正・株高で株式や外国資産の含み益が膨らみ、規定より債券の資産配分比率が低下しているためだ。公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や企業年金基金が規定に戻すために必死に債券を買っている結果、歴史的低金利の陰の主役になっている。

「GPIFの運用はどうなっているんだ」。最近、年金運用を調査する大和総研の研究員のもとに、大手銀行を中心に機関投資家からの電話がひっきりなしに入る。長期金利は新発10年物国債の利回りが約9年8カ月ぶりの歴史的低水準で推移している。そのけん引役が年金だ。
 年金運用は国内債券や株式の資産配分の運用比率をあらかじめ決めている。この規定からずれると元に戻す売買をせざるを得ない。運用リスクを抑えるため分散投資を原則としているためだ。
 円高修正と株高で、GPIFの国内債券の比率はすでに昨年12月末時点で下限(59%)に1%と迫った。今年に入り突破したのは確実で、ゴールドマン・サックス証券の西川昌宏金融商品開発部部長は「下限を維持するためには1〜3月で国内債券を3兆5千億円買い越さなければならない」と試算する。大和総研によると企業年金である厚生年金基金のうち8割の基金がGPIFと同様の売買を迫られている。
 GPIFは約112兆円を運用する世界最大規模の機関投資家だ。ディーラーの債券買いの表向きの理由は、黒田次期総裁の下でこれまで以上に積極的に国債購入を進める見通しの「日銀への期待」。だが、金利急騰リスクにさらされながらも安心して買い進められるのは、年金の動きを察知しているためでもある。
 GPIFは資産配分比率を見直すと表明したが、決定するには1年程度かかる。このまま円安・株高の基調が続けば、年金の債券買いが続く。株高は一般的に債券売り・金利上昇要因だが、年金が足元の株高・債券高を長引かせる要因にもなりそうだ。
(飛田臨太郎)