経営

金利上昇は企業に悪いことなのか

2/17日経「金利上昇、財務の重荷に」「米低格付企業、(今後5年間の)用返済額160兆円」 日経は金利上昇が企業にとって悪いかのような印象を与えている。 金利上昇でメリットを受ける企業も紹介して、通算して経済への影響を評価すべきである。 強い会社は金…

フェイスブックやインスタグラム、欧州でサービス断念も

2/8日経夕刊「EUのデータ管理規制で」と伝える。 ヤフーも2/1に、英国とEUでサービス提供を中止すると発表した。 一般データ保護規制(GDPR)が企業に過大な負担を要求しているからだ。 消費者を保護するはずのGDPRが、消費者にサービスを提供できなくしたり…

再生エネルギー会社株の低迷

2/8日経、再生エネルギー銘柄 3つの逆風「過剰な期待反動」「ハイテク株上回る下げ」 業績悪化、競争激化、脱炭素停滞、 同じく日経の記事、サウジアラムコ 株追加売却準備、アラムコの株価は上場後間もない20年ごろには低迷したが、その後持ち直し、2兆ドル…

私の履歴書 ファナック会長・稲葉善治

異例の「私の履歴書」だった。題は、「父と私の履歴書」が相応しかった。1回目から最後まで父・稲葉清右衛門(1925-2020)が登場して、息子の稲葉善治の影は薄かった。稲葉善治は、偉大な創業者からどのように脱却し、独自のカラーを打ち立てるかに苦慮して…

テック企業の情報開示を変革せよ

12/24日経Financial Times ラナ・フォルーハー「テック大手 広く収益開示を」。 ラナは、SECの情報開示が製品中心で、テック企業の実態を反映していないと指摘する。 NCL(University College London)の報告書は、テック大手の事業モデルが従来は存在してい…

分社化の流れ、小売業にも

12/19日経「米小売り 分社化の圧力」「店とネット分離で価値向上」「相乗効果失う懸念も」 エネルギー会社で化石燃料部門と再生エネルギー部門を分離する動きが出てきて、この動きは小売業にも波及している。 小売業では、店舗とネットを分離する動きである…

関西スーパー 最高裁 許可抗告棄却 OK買収断念

最高裁は12/14OKの許可抗告を棄却することを決めた。 これにより、関西スーパーの食品スーパー2社と経営統合を行う。 最高裁の決定には疑問が残るが、実務はこれに従うことになる。

関西スーパーの株主総会 最高裁の判断

関西スーパーの争奪戦がいよいよ最高裁に持ち込まれた。 12/9日経「議決権の扱い 最高裁判断へ」「専門家も意見二分」と伝える。 問題の焦点は、総会に出席したある株主の議決権行使である。「事前に会社提案に賛成票を投じた」「総会に出席して棄権を意味す…

みずほ問題、Too big to fail 方針を巻き戻す

みずほがシステム問題で揺らいでいる。みずほは富士通、日立製作所、日本IBM、NTTデータのマルチベンダー体制でシステム開発を推進した。過去のDKB,富士銀行、興銀のしがらみをそのまま引き継いでいる。とてもOne Mizuhoとは言えない。 巨大になったみずほ…

日本企業の再興はあるのか

10/29日経経済教室「日本企業再生は可能か、上」三品和弘・神戸大学教授、 タイトル「未踏に切り込む伝統に帰れ」 ポイント ・グローバル化をとらない成長の道もある ・技術革新の追い風が吹く業種を見極めよ ・機能化学など優位にあるニッチを伸ばせ 三品教…

関西スーパー、臨時株主総会の決議集計に疑惑

11/9日経「オーケー、差し止め請求」 裁判所が選任した検査役の報告により、「可決」に疑義が生じたとして、9日にも神戸地裁に差し止めの仮処分を申請することになった。 66.68%の可決とされたと報告されたが、当初の集計では賛成が65.71%で、2/3には達し…

株主価値向上のための会社分割が新しい潮流になるのか

米投資ファンド、サード・ポイント(TP)はロイヤル・ダッチ・シェル(RDS)の株を取得し、会社をクリーン・エネルギー部門と化石燃料部門に分割することを求めている(10/28日経夕刊)ことが号砲になったかのように、日米で次々と会社分割が提案されている…

ロイヤル・ダッチ・シェル(RDS)の分割案、日本企業にも流れは及ぶか

10/28日経夕刊; 米投資ファンド、サード・ポイント(TP)はRDSの株を取得し、会社をクリーン・エネルギー部門と化石燃料部門に分割することを求めている。 TPは「競合する利害関係者が多すぎて戦略が一貫せず、誰も満足させられなくなっている」と主張する。…

CVCによる東芝買収の行方

車谷暢昭CEOが退任を表明した。 藤森義明・社外取締役もそうなるのだろう。 4/15日経によれば、数社が買収を検討しているという。それだけ買収価格にはうま味があるということだろう。取締役会の対応が見どころである。

東芝に英ファンドCVCから買収の申し入れ 気になる利益相反

CVCが東芝の買収を提案した。買収価格は、4/6終値3,830に約3割のプレミアを上乗せした5,000円ほど。4/6の時価総額1.7兆円に対し、2.3兆円ほどになる。 この買収提案には、いくつかの論点があるが、気になるのは利益相反の問題である。 車谷暢昭CEOは元CVC日…

アハマド・ザキ・ヤマニ氏(1,930-2,021)が亡くなる

ロンドンで90歳だった。石油業界の巨星であった。

 Jeff Bezos(1964-)がアマゾンCEOを退任する

アマゾンは1994年に設立。まさかここまで巨大企業に成長するとは思ってもいなかっただろう。スタートはオンラインの本屋。本屋は儲からないから新規参入はなく、生き残れると思ったのではないだろうか。 Win95世代がだんだん減っていく。時代の流れだ。 Yaho…

電通 汐留の本社ビル売却検討、3,000億円規模

本社ビルの売却を1/21日経が伝える。 オリンピック開催中止による業績悪化を見込んだものか。1/22ロイターの報道が裏付ける。 ロイターによれば、政府は32年の開催を目指すという。執念深いことだ。 ロイター 広告株が軟調、五輪中止に関するタイムズ報道を…

フェイスブックとグーグルの決済事業への進出、日本の決済業者は太刀打ちできない

テック各社の金融への進出が急である。公にしているのは、グーグルとフェイスブック(FB)だが、アマゾンも追随するだろう。アマゾン・コインの登場だ。 アップルは既にゴールドマンと組んでクレジットカードを発行している。これの進化ヴァージョンが予想さ…

パナソニックの社長交代 津賀一宏社長から楠見雄基常務執行役員へ その先は

都賀社長は12年6月に就任した。この間赤字事業の整理に追われていた。大きな誤算は、次の成長事業としたテスラ向け電池事業であった。いよいよ生産が軌道に乗ってきたが、その果実を得られていない。 皮肉にも、テスラの株価は12年6月末日31.3ドルから、20年…

日経は電子化を急げ

11/6日経夕刊はNYTは、20年7-9月期の購買料収入の内訳を発表し、初めてデジタル関連の収入が紙媒体収入を上回ったと伝えている。 日経によれば、NYTは今春、購読料を15ドルから19ドルに引き上げたが、読者層の鈍化は起きていないそうだ。 日経は紙面で政府や…

ウォーレン・バフェットの日本商社株への投資は成功するか

9/29日経、Deep Insight エコノミスト「バフェット氏株主重視へ新風」の記事。 バークシャー・ハザウエイ(BH)の日本商社株への65億ドル投資について新たな見方を提供しているのか興味を持ったが、結論は、成功するかもしれないし、失敗するかもしれないと…

NTTがドコモを完全子会社にする、大きいことはよいことなのか

28日の終値2775円にたいし、4割のプレミアムで3900円で、33.8%の株をTOBで取得する(総額4.2兆円)。 28日の時価総額で、NTT自身の時価総額は上場子会社分を除くと次のようになる(9/29日経夕刊)(単位:兆円)。 NTT 8.9-ドコモ 8.9×66.2%-NTTデータ …

技術で先行しても収益化できない日本のEV

EVも蓄電池も世界に先駆けて量産化しても、先行利益を収められず、撤退・縮小してしまう。これは技術の問題ではなく、経営の問題のように見える。日本の経営はどこに問題があるのか。 9/24日経は、テスラが3年後に25千ドルのEV車を発売する(現在の最安モデ…

株式市場の巨人の投資スタンス ウォーレン・バフェットと孫正義

2人の投資スタンスが大きく転換して、市場の注目を集めている。 バフェットは、米国株の一部(銀行株と航空株)を売却し、カナダの金鉱株を買った。注目されるのは、日本の5大商社株に7千億円を投じたことだ。これまで、バフェットは米国株に投資、日本株…

JDIは「いちご」の下で再建なるか、官製経営の不手際

8/27日経は伝える。黒字化、2年でメド、と。 8/26の株主総会で、「いちご」から604億円の支援を受けることを決議した。 「いちご」は既に504億円を支援し、総額で11,008億円、議決権比率で80%超を握る。 JDIは6期連続で赤字を計上し、今後はアップル依存を…

セブンの210億ドル買収の可能性

8/3日経夕刊は日米の対照的な買収を報じている。 一つは、セブンの米コンビニを210憶ドルで買収する件。 もう一つは、マイクロソフト(MS)がTikTok米事業を買収する件(9/15までの期間指定)。 二つを並べ立てられると、セブンは古いビジネスに執着してい…

SGB エヌビディア(NV)へアームを売却か

8/2日経は、表題の売却を伝え、次の選択肢があるとしている。 AI覇権へNVと連合 数年後の株式公開、資金を回収 SBGは2016年に240億ポンド(3.3兆円)で買収した。 今回の話は、NVから持ち掛け、買収価格は3.3兆円を上回る可能性があると伝えている。 だが…

日本の製造業は踏ん張れるか

7/2日経には、日本製造業の後退を示す記事がいくつか載っている。 ・三菱航空機 2年ぶり債務超過、最終赤字最大5.2千億円 ・デジカメ出荷、72%減 ミラーレスも62%減 ・テスラ時価総額、トヨタを超える 製造業とは関係ないが、香港の人材を獲得する動き…

富岳がランキング1位、ビジネスにつなげるかが課題

富岳が計算速度で首位になった。それを伝える記事で、先代の京は失敗だったことが明らかになっている。 6/24日経「富岳使いやすさに重点」「富士通、京の反省生かす」 2011年に速度で首位を得た京が商売としては失敗だったことは初めて知った。 思い出すのは…