セブンの210億ドル買収の可能性

8/3日経夕刊は日米の対照的な買収を報じている。

一つは、セブンの米コンビニを210憶ドルで買収する件。

もう一つは、マイクロソフト(MS)がTikTok米事業を買収する件(9/15までの期間指定)。

 

二つを並べ立てられると、セブンは古いビジネスに執着している、MSは新分野へ積極的だと印象付けられる。

市場では、セブンの株価は一時8%安まで下げた。

 

だが、セブンがTikTokを買収して、MSがコンビニチェーンを買収しても両方とも大失敗になるだろう。モチはモチ屋である。

 

コンビニ事業は、日本勢が磨き上げたビジネスだ。世界でもっとも競争力がある事業なので、勝ち目はあるのではないか。8/3日経夕刊によれば、上位5社の店舗数は、22.7千店舗。セブンは、9.0+3.9=12.9となり、56.8%を占める。この市場占拠率が大きな効果を生み出すかもしれない。

一店舗当たりの取得価額は、5.38百万ドル。この内のれん部分は不明。国内の買収より高く見えるが、市場の成長力を反映しているのだろう。

 

セブンにとってアドバンテージは、

・すでに米セブン・イレブンを買収していて(1991)、市場を良く知っていて、人材を抱えている。ぽっと出の日本企業が大やけどをするのとは違う。

・買収資金は借入のようだ。これは、経営陣が収益性に自信を持っているとみなせる。

逆に不都合な点もある。

・返済原資を捻出するため国内の不採算事業の選別が厳しくなり、事業の選別が行われるだろう。

 

8/6日経「セブン&アイ 検証・巨額買収、上」

8/7日経「セブン&アイ 検証・巨額買収、下」

・スピードウエイ19年営業利益 1,080億円

・営業利益率 20年2月期

国内コンビニ26% VS 総合スーパー 1% VS 百貨店 0.1%