分社化の流れ、小売業にも

12/19日経「米小売り 分社化の圧力」「店とネット分離で価値向上」「相乗効果失う懸念も」

エネルギー会社で化石燃料部門と再生エネルギー部門を分離する動きが出てきて、この動きは小売業にも波及している。

小売業では、店舗とネットを分離する動きである。

 

エネルギー業と小売業では共通する問題がある。既存の事業と新しい事業の相克である。一人のCEOが事業を計画するとき、必ずジレンマに陥る。新しい事業を伸ばすと既存の事業がマイナスの影響を受ける。CEOは精神分裂になりかねない。このジレンマから抜け出すために、事業ごとに会社を分割するのは理にかなっている。

 

日本の企業は「相乗効果を失う懸念」とか言って、思い切って新しい分野に踏み出すことにちゅうちょする。成長を取り戻すためには、労働者が成長分野へ流れやすくする雇用の流動化が必要だといわれている。だがその前に、労働者が移りたくなるような成長企業は十分に用意されているのか。まず経営者が成長分野へ積極的に資源を転じるのが第一歩ではないか。そうでなければ、雇用の流動化は経営者に解雇の自由を許す耳当たりの良い表現にしかすぎない。

 

12/22日経「全社員 最先端IT人材に」「ヤフー、8,000人を再教育」

全社員を「データサイエンティスト」「データアナリスト」「AIを実務に活用できる人材」の3種に養成する。

日本型雇用の下では、この形態が現実的。経営が会社の将来像を描き従業員をそこへ導く。雇用の固定化が進む。雇用の流動化はなくても、付加価値の高い分野へ自然にシフトする。

同じような事例にワークマンのエクセル経営がある。

経営が会社の将来像を描くことが第一だ。