東芝に英ファンドCVCから買収の申し入れ 気になる利益相反

CVCが東芝の買収を提案した。買収価格は、4/6終値3,830に約3割のプレミアを上乗せした5,000円ほど。4/6の時価総額1.7兆円に対し、2.3兆円ほどになる。

この買収提案には、いくつかの論点があるが、気になるのは利益相反の問題である。

車谷暢昭CEOは元CVC日本法人の会長、藤森義明社外取締役は同法人の現役の最高顧問である。

このような関係から、この二人は重大な利益相反があるのではないかと疑念がもたれる。すなわち、地位保全のために安売りするのではないか、と。

 

東芝企業価値については、4/9日経「東芝企業価値、評価に幅」「カギ握るキオクシア」で、評価額が2.8兆円から3兆円超と評価されていることを紹介している。

 

利益相反の疑念を持たれないようにするには、

  1. 取締役会でこの案件を議論するときは、車谷、藤森の両氏は、特別利害関係人として取締役会メンバーから外れるべきである。
  2. 取締役会はCVCの提案が安すぎると反論すべきである。
  3. 車谷・藤森両氏は、本件成立後退任すると宣言すべきである。

4/9日経「買収提案が問う東芝の統治」編集委員・小平龍四郎

外資ファンドの買収提案が試すものは、東芝のガバナンス改革の実効性にほかならない。