貯蓄から投資は昔の発想で、今必要なのは貯蓄から消費である

2001年に小泉内閣が「貯蓄から投資」を打ち出した。今では、投資環境は当時とは大きく異なっている。当時は米国の株や投信に投資することは個人にはほとんど無理だった。今では、簡単に低コストで世界中の金融商品に投資できるようになった。また国債残高は大幅に増えた。それをファイナンスしているのは家計貯蓄である。家計貯蓄を減らすことは、国債ファイナンスの構造が変わることを意味する。

20年前のスローガンを無自覚で振り回すことに危うさがある。

今の日本経済に必要なのは、貯蓄から消費へではないだろうか。

 

 

12/16大機小機、倫敦塔「貯蓄から投資 不都合な真実

家計の合理的な投資行動が海外への資本流出につながることを指摘。もう一つは、資金循環の構造である。20年間の間、国債の残高は538兆円増加し、446兆円が日銀に消化されている。金融機関による日銀預け金は、536兆円増加している。家計は貯蓄を323兆円積み増している。資金循環の構造を見直すことが必要である。