びっくり10大予想 2023年

当たるも八卦当たらぬも八卦と思って今年の展開を考える。

 

1/5日経【ニューヨーク=伴百江】ウォール街ご意見番として知られる米投資ファンド大手ブラックストーンのバイロン・ウィーン氏が4日、最高投資ストラテジストのジョー・ザイドル氏と共同で、毎年恒例の「びっくり10大予想」の2023年版を公表した。

びっくり予想の定義は、平均的な投資家が発生確率を3分の1程度とみるイベントで、ウィーン氏がその確率を5割以上と予想するもの。公表は今年で38回目となり、毎年市場関係者が注目している。

 

FRBのインフレ抑制策、「軽度の」景気後退より悪い状況招かず

・ドルは主要通貨に対し堅調へ、米金融当局がタカ派姿勢堅持で

ウィーン氏がこのほか示した23年の主な予想は以下の通り。

・中国は5.5%の成長目標に近づき、西側との通商関係改善に取り組む。それがリスク資産の支えになる

・米国は世界最大の石油生産国になる。フラッキング(水圧破砕技術を利用した掘削)の増加と世界的なリセッションで、原油価格は1バレル=50ドルへ

イーロン・マスク氏は年末までにツイッターを「回復軌道に乗せる」

ウクライナ戦争は停戦が実現。ロシアとの領土分割交渉は年後半に始まる

 

 

今年の干支「癸(みずのと)卯(う)」年 ウサギ年

邦光史郎「干支から見た日本史」より、

この年は万事正しく筋を通していくと繫栄に向かうが、いったんやり方を間違うと、事柄が紛糾して動乱を招くという意味を含んでいる。

1963年 ケネディ大統領暗殺される。

 

既に前年からの岸田首相の行き詰まりを予言しているかのようだ。

ウクライナ戦争が2年目に突入して、重大な岐路にあるのだろうか。

ウクライナ戦争、休戦という道もある

ロシアによるインフラ攻撃で、ウクライナの人々は厳しい冬を迎えている。

誰もが停戦を望む。戦争継続か和平交渉以外の第3の道がある。両者の勝敗をあいまいにする休戦である。その前例は朝鮮戦争にある。

 

12/16日経Opinion、Financial Times「朝鮮戦争の休戦が参考に」FT主任外交解説員、ギデオン・ラックマンが休戦を提案する。

和平合意が難しいのは、

  1. ロシアもウクライナも完全な勝利をすることは難しい、
  2. 両国の政治的立場が離れすぎていて、和平合意に達することは考えにくい、
  3. どちらもこの戦争による犠牲が大きすぎるので、休戦が魅力的に映る可能性がある。

 

休戦の具体的事例は、朝鮮半島の休戦である。朝鮮半島の休戦は、完全な和平合意に至らなくても、「軍を引き離すことで戦闘停止」をできる可能性があるのである。

 

ウクライナが休戦を受け入れる可能性

ウクライナは道義的にも政治的にも国家を存続する正論がある。だが現実には、日々膨大な犠牲者が発生している。正論は正論として、この犠牲者を減らすことは受け入れられるのではないか。

・ロシアが休戦を受け入れる可能性

プーチン大統領は、政治的立場から、戦争終結を宣言することはできないだろう。だが、軍事的な助言に応えるという形をとったり、善意を示すふりをして、停戦を受け入れることはできるかもしれない。問題は、ロシアを全く信用できないことにある。

 

どれだけ反撃力があっても、相手の軍事力が勝っている場合には、どこかで折り合いをつけなければならない。政治家に期待するのは、その見極める力である。

イーロン・マスク(EM)とスティーブ・ジョブス(SJ)の発言の共通点

二人ともその発言にFoolishが含まれている。日本語では「愚かな」と訳されることが多い。

だが愚かなでは、ニュアンスが違う気がする。

someone foolishでは、ツイッターは倒産するだろう。stay foolishでは、ⅰphoneの大成功はなかっただろう。

次にそれらしい翻訳を見出した。ただ、一言で表現するのは難しそうだ。  

 

プロ通訳者・翻訳者コラム 成田あゆみ

第34回:Stay hungry, stay foolishの訳は「ハングリーであれ、愚かであれ」なのか?

https://haken.issjp.com/articles/careers/a_narita_34

hungry:

過去の成功を捨てること。身軽でいること。心から好きなことを見つけるまで立ち止まらないこと。自分には何もないと自覚すること。自分の心と直観に従うこと。

foolish:

多数派の信じることに反してでも、自分の心に従うこと。成功を捨ててゼロからやり直すこと。本当に好きなことを見つけるまで立ち止まらないこと。他人の人生を生きないこと。ドグマにとらわれないこと。

 

こんな歌もある。The Beatles「The Fool On The Hill」

The foolとは、大衆には理解されていないが、実際には賢い孤独な人物のことである。ガリレオのことだともいわれる。

But the fool on the hill

sees the sun going down,

And the eyes in his head

See the world spinning 'round.

 

イーロン・マスク 12/21ツイート

I will resign as CEO as soon as I find someone foolish enough to take the job! After that, I will just run the software & servers teams.

 

スティーブ・ジョブス 2005年6月12日にスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチの締めくくりとして、卒業生へ送った言葉

Stay hungry, stay foolish

日銀、異次元緩和を転換

12/20日銀は、YCC±0.25を±0.5%に拡大すると発表した。

これを受けて金融市場は大混乱になった。事前に示唆するのは、国債売り、円買いを誘発するので、手荒いけれど不意打ちをくらわすしかなかった。株の下落は思った以上に大きかった。

 

このサプライズは日銀への信頼を大きく損ねた。黒田総裁は、会見で、金利変動幅の再拡大ない、と発言したけれど、信じる人はいるのだろうか。また、このオペレーションは、日銀自身の切迫した事情なのか、官邸からの強い要請なのか。

 

国債空売りした投機筋の利益、日銀のかかえる国債評価損はどれ程なのだろうか。

 

 

 

12/19月

12/20火

12/21水

12/22木

円/ドル

 

135.83

132.58

131.75

131.95

10年物国債

利回り

0.25

0.41

0.478

0.39

 

価格

99.52

98.03

97.43

98.21

日経平均

 

27,237

26,568

26,387

26,507

 

前日比

-289

-669

-180

+120

相場は日経掲載の終値

東芝、買収の行方

JIP(日本産業パートナーズ)主導の買収。

12/16日経「東芝買収へ1.2兆円融資」

三井住友とみずほが、各4.5千億円の融資を実行する。他に、三菱UFJ、あおぞら。

出資は1兆円、オリックスローム中部電力など20社程度。

 

東芝社外取締役で構成する特別委員会で検討中。

関係者が多すぎるので、この提案が着地するかは不明である。

防衛費 拙速すぎる岸田首相

なぜそんなに急ぐのか。

きっと来年の今頃は首相の座にいないから、今のうちに成果をあげておきたいという思惑があるのだろうか。バイデン大統領に23年からやりますと約束したのだろう。来月には訪米するそうだ。

 

11/22に有識者会議の報告書を受け取って、わずか20日余りの素早さ。防衛方針の大転換と増税という大問題を決するのは、国会で余すところなく審議を尽くすべきであろう。

国会の審議が紛糾した場合には国民に信を問うことも必要かもしれない。それなのに、「今を生きる国民の責任」と責任を国民に転嫁する厚かましさ。

議論の順序が逆である。まず国会で必要か不要かを議論し、必要であれば何にいつ使うかが議論されるべき。その後に財源をどうするかというのが順序である。それが財源から入るのは、逆さまである。

岸田首相のロジックには、粗さが目立つ。

 

タバコ税を引き上げる(2,000億円、3円/本を段階的に)。国防と喫煙にどんな因果関係があるかの説明がない。説得力が必要。

 

(参考

首相官邸;令和4年11月22日、岸田総理は、総理大臣官邸で国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議の佐々江賢一郎座長から報告書を受け取りました。

 

12/13中国新聞岸田文雄首相が2023年度から5年間の防衛費を総額約43兆円とする方針を打ち出した。

実現すれば、安全保障政策の大転換になる。首相は内容、予算規模、財源を一体議論すると強調してきたのに、唐突に翻して財源確保に増税までも表明した。「具体的かつ現実的に議論し、積み上げる」とした説明はどこに行ったのか。そもそも参院選増税に触れておらず、明らかな公約違反だ。

 

12/13ヤフーニュース、産経;岸田文雄首相(自民党総裁)は13日の役員会で、防衛費増額を巡り「責任ある財源を考えるべきだ。今を生きる国民が自らの責任として、しっかりその重みを背負って対応すべきだ」と述べ、増税を含めた財源確保に理解を求めた。

後に「今を生きる国民の責任」を「今を生きるわれわれの責任」に修正した(12/14)。