ウクライナ戦争、建前を貫くか落としどころを探るか

2/24のウクライナ侵攻から1週間が過ぎた。意外と持ちこたえていると思う。

この1週間で明らかになったのは、

  1. Natoは、ウクライナに対し直接的な軍事支援を行わない。
  2. ロシアは有言実行の国である。このことは、プーチン大統領が威嚇する、核使用や第3次世界大戦があり得ることを示している。

 

 

この現実を踏まえ、世界は西側の主張する正義を貫くか対立する議論の落としどころを探るかの岐路に立っている。

 

 

正義を貫くのはロシアによる核の使用も辞さぬ強硬路線である。落としどころを探るのは、核使用を回避する方策に思える。どちらの人的被害が小さいかは、後者である。

広島出身の岸田首相は3/3の記者会見(またしてもニュース放映時間を乗っ取った)で、「力による一方的な現状変更を決して許すことはできない」と述べつつ、「核兵器よる威嚇、ましてや使用も許されない」とも述べた。ところが、この両者の優先度をつけていないのでいざという時どうするのかがわからない。広島出身の首相自身の思いを優先度で示してほしかった。

 

正義を貫くのは勇気があって正しいことのように思われる。だが、その背後には膨大な犠牲者がいるかもしれないことを忘れてはならない。日本のマスコミは、アメリカのプロパガンダに洗脳されているのか、正義論一色である。後になって「そこまでやるとは思っていなかった」では取り返しがつかない。

妥協を探るのは、弱気で相手をつけあがらせるだけだとの批判があろう。だが、犠牲を回避する現実の解はこれしかない。一歩後退して犠牲を回避するのである。プーチン大統領に受け入れ易いと思われる解は、「引き分け」である。彼が好んで口にする日本語である。西側とロシアが引き分けて、平和に収束できればこれほど良いことはない。

 

 

MAG2NEWS 1/7/20 https://www.mag2.com/p/news/432339

北方領土問題の解決なるか?プーチン「引き分け発言」真の意味北方領土問題について、

ロシアのプーチン大統領は(2019年12月)先月19日、4時間にわたる年末恒例の記者会見の中で、あらためて持論を展開しました。

 

「ロシアのプーチン大統領は、年末恒例の記者会見で、日本との平和条約交渉について『「引き分け」でなければならない』と述べ、日ロ双方が受け入れ可能な解決策を見いだすべきだとする立場を確認しました。一方で、北方領土の島々を日本に引き渡した場合、日米同盟によってアメリカ軍が展開することにあらためて懸念を示しました。(中略)

(西恭之さん(静岡県立大学特任助教))プーチン大統領の「引き分け」発言は、ロシアが中国やノルウェーと行ってきた「面積等分」による領土問題解決の手法を北方4島にも適用しようとしていると考えてよいでしょう。