日産自動車 企業統治改革専門委員会 提言 欠けているもの

3/28日経の報道。「監督・執行分離促す」「会長職廃止を」「西川氏の責任論 早々に封印」

 

この提言で触れられていない論点、おそらく故意に避けたのは大株主との関係である。仏政府はルノーの株式を15%握っていて、ルノーに日産との経営統合を促している。ルノーはこの要請に対し前向きに応じていたようだ。

 

ルノーは日産の42%の株を保有しているので、仏政府以上に影響力を行使できるはずだ。

ルノー株主としては、もっと影響力を発揮して、日産の利益を吸い上げて欲しいと思っているだろう。

日産の現経営陣やこの専門委員会は、少数株主の利益を尊重しているのが建前なのであろう。だが彼らは少数株主の利益を考えたことはあるのか。少数株主の中には、4割ほどのプレミアム付きで持株をルノーに売りたいと思っているのかもしれない。

そのような少数株主が多数であれば、現経営陣はこの専門委員会を隠れ蓑にして保身を計っていると言うべきである。

 

大株主と少数株主の利益の調整は難しいものがある。そこへ踏み込まなかった専門委員会の提言を評価は出来ない。