日銀のマイナス金利政策はPoint of no returnを超えるのか

日銀はマイナス金利政策をこの先どうするのか、不安になってくる。黒田総裁は「深掘りする」と更なる金利引き下げを予告する。

マイナス金利に突入したことは、日銀が銀行から国債を買い集めるには金利低下を持続することを意味する。少しでも金利が上昇すると、マイナス金利国債を買った投資家(投機家)は損失回避で一斉に売りを出すことになる。この売りに日銀は買い向かうしかないが買い支えられるものではない。だから、経済情勢とは無関係に少しずつでも金利を引き下げるしかない。だが、永遠に金利を低下できるのものではない。どこかでジ・エンドとなって、国債バブルが弾ける。
そうなると日銀は銀行から買い取った国債に膨大な評価損を抱えることになる。もしかすると数十兆円単位となるかもしれない。

日銀の倒産が現実味をおびてきた。

黒田総裁はこんなことも言っていた。「銀行のために金融政策があるのではない」と。だが、銀行は金融システムの主要プレイヤーだ、銀行をリスペクトすることによって金融システムの安定を図れる。国債価格を乱高下させ銀行経営を翻弄するのは、銀行の経営基盤を脆弱化して金融システムを機能不全にしてしまう。このことは、2000年代前半に不良債権問題で銀行経営がおかしくなり、金融システムがマヒしてしまったことを見ている黒田総裁にはお分かりのはずだ。

金利を下げることしか出来なくて上げることが出来ないマイナス金利政策は、傷の少ないうちに撤退を探るべきだ。ハルマゲドンで全国民がその損失を負わされるのは真っ平だ。