財政赤字、超低金利下でも維持不可能という議論

10/8日経経済教室「財政赤字拡大容認論を問う、中」星岳雄・東大教授

冒頭で星教授は、「日本国債の量が家計の保有する金融資産総額を上回ることで、10年以内に財政か破綻する危険性がある」と5年前の自身の共同論文を引用する。

 

この論文では、家計の金融資産は国債発行とは独立していることが想定されている。

だが、国債発行により、家計の金融資産は増加する。

赤字国債を発行すると、日銀をその国債を見合いに紙幣を「刷る」。それを国庫に納入する。

例えば、赤字国債により社会保障を補うと、最終的には資金は家計に流れる。公共事業でも、代金は建設会社に滞留する分を除き、家計に流れる。

いつかは国債発行が家計の金融資産をしのぐというのは、幻影である。

 

この資金循環の例外は、赤字国債を発行して得た資金が海外に流れる場合だ。

アメリカから高価な兵器を購入したり用途のはっきりしないトウモロコシを買うのは、上記の資金循環は生ぜず、日本の財政に爆弾を仕掛けているようなものだ。