日経「ROE偏重経営 もろさ露呈」の変わり身の早さ

4/29日経「想定外、備えはあるか」の記事である。

日経はつい最近まで、ROEを高めるには、負債を増やして自己株式買いを行うのがよいとしきりに勧めていた。

 

日経のこの記事は、「経営の耐久性が長期の成長力を左右する」というグラフを示して、自己資本比率60-80%の企業の利益の伸びが6.5倍で最も大きく、自己資本比率20%未満の3.4倍で最も見劣りすると伝える。

こんなデータを持っているなら、最初から自己資本比率60-80%を目指せと主張すべきであった。時々の政権の意向に沿うように、ニュースを都合よく操るようでは、信頼を失うだろう。

 

日本企業は、2008から2009のリーマンショックを忘れてはいない。最後に頼れるのは、自社とキャッシュである、と。

薄い資本を推奨するなら、危機時のセ-フティー・ネットの構築を忘れてはならない。日本をカジノ経済にしてしまうのは、無責任である。