7PayとBITpoint(BP)の報道の違い

7Payは30百万円が不正利用されたのに対し、BPは30億円が盗まれた。7Payは、BPに対し、被害額は1%に過ぎない。

 

ところが、日経の報道ぶりは、7Payにことさらに厳しい。7/21「セブンペイ普及優先に隙」と商売を優先したとして、(1)FBやツイッターなどの外部IDでログインが出来ること、(2)常識である2段階認証を採用しなかったこと、などが指摘され、更には、世耕経産大臣までが「基本中の基本である2段階認証といった対策が十分でなく、大変残念」と批判している。

 

ところが100倍近い盗難のあったBPに対しては、7/21「仮想通貨やまぬ流出」と被害者であるかのように扱っている。

 

この厳しさと甘さの違いは次のように理解できる。

1. 7Payは、国策として推進するキャッシュレス化に水を差した。

2. BPは18年6月に金融庁から業務改善命令を出され、この6/28に解除された。そこから2週間ほどの7/11に今回の流出事件があった。BPを批判することは、金融庁批判にもつながるので、日経は政府には甘い姿勢をとっている。

 

「仮想通貨やまぬ流出」記事には、「露見していない流出にもかなり多い」とセキュリティー会社のコメントを引用し、「現行の金融庁の規制下では被害をゼロにすることが事実上、不可能ともいえる」と結論している。

だったらさっさと、欠陥商品の取引は停止せよと主張するのが公器としての姿勢であろう。そうしている間にも、世界の犯罪者や犯罪国家の標的になっているかもしれない。

 

ところで、7Payの30百万円の被害をどう評価するか。気付かなければもっと多額の損害が発生したのか、それとも利用者のチェックにより結果的にその程度の損害に止まるようになった(意図しない損害抑止機能)のか。

前者であれば、7Payはシステムの脆弱性に真剣に向き合わなければならない。もし後者であれば、怪我の功名で、損失を管理可能なレベルに下げているので、システムは暫進的に改善すれば良いことになる。金を扱うシステムは一円でも正確でなければならないという世間の声は強いだろうけど。

 

仮想通貨でも電子マネーでも、顧客預かり金の保全は十分なのであろうね。そうでなければ、欠陥品である。

7/24日経「スマホ決済被害、補償8割明記なし」「主要10サービス調査」。