Libra(リブラ)は、銀行の救世主になれるか

世界中で、リブラへの関心が高まっている。国家主権である通貨発行権を侵すかもしれないからだ。これほどの大問題であるのに、日経の報道は世界で何が議論されているか(問題点だけ)を伝えるだけで、日本としてどう対処するかが報じられていない。日本政府の対応も、麻生大臣の会議での発言以外は、伝わってこない。

 

日本版Libraを創設して、構造不況業種である地銀救済策が考えられる。

 

7/17大機小機「30年後に銀行はあるか」鵠洋は、PBR0.3以下の上場企業は地銀だと指摘する。「地銀が統合を取り沙汰されるうちはまだ牧歌的。30年後に銀行は存在するか、という問いかいけこそ必要な時代ではないか」と問いかける。

銀行のPBRが0.3以下なのは、銀行資産、店舗やコンピュータ資産、ATM、人材などが収益を生み出さないと市場がみなしているからだ。統合はPBR0.4の銀行がPBR0.3の銀行を飲み込むようなもので、延命になっても最終的な解決にはならない。

 

大機小機は、中抜きで銀行が不用になるというが、銀行の信用創造機能は経済に不可欠なものである。銀行が倒産して信用創造機能が失われたら、経済に深刻な影響を及ぼす。銀行には生き延びてもらわなければならない。

 

市場の評価を読み解くと、地銀は店舗を大幅に統合し、時代遅れのコンピュター資産を革新し、ATMを廃止し、人員を融資のプロ集団に変えることが要請されている。

それらを可能にするのが、日本版Libra(円電子マネー)だ。

 

小口の融資は、フィンテックの手法で無人化し、銀行員は大口融資に専念する少数精鋭のプロになる。給与振込みを円電子マネーで行なえば、一気にキャッシュレス化が実現する。号令をかけるだけでは、事は成らない。銀行は無理な不動産融資や危険な有価証券投資に手を出すことがなくなり、財務は健全化する。経済全体も健全化するだろう。

 

日経は、欠陥通貨であるビットコインをはやし立てて、メリットだけを取り上げ、500億とか30億の流出事件を引き起こす遠因となった反省があるのだろうが、将来を見据えた洞察力が期待される。