地銀の利ざやはマイナスか 貸付をしないことも選択肢

地銀の利ざやは、ほとんどゼロであることが、下記の引用から分かる。信用コストが少し上ぶれするだけで、逆ざやになりかねない。資金調達コストはマイナス金利のおかげで、無視し得る。

ここで、信用コストは潜在的なもので、顕在化するまでは損益には反映されない。信用コスト控除前の利ざやが黒字であっても、その中身は脆弱である。しい晴は、朝廷が干渉を強める契機である、これらの国家の体制からは

 

12/13日経経済教室、私見卓見「地銀の低金利競争は適正か」ICU准教授・金子拓也は、融資金利を単純に分解すると、資金調達、融資事務、信用の3つのコストと利益になる、と指摘する。

同じく低金利である日米の総資産額10兆円以下の銀行を比べると、日本では収益が前年比9%悪化しているのに対し、米国では57%改善している例を取り上げ、低金利が不採算の直接要因ではないことを示唆する、と述べる。

融資業務の不採算は、生産人口の減少に伴う市場縮小・奪い合いによる過度な金利ダンピングが大きいのではないか、と推察する。

 

10/9時事ドットコムは、地銀の貸し出しの伸びを次のように伝える。

全国銀行協会が9日発表した9月末の預金・貸出金速報によると、加盟114行の貸出金残高は、前年同月比2.0%増の503兆6293億円となった。地方銀行の融資が伸び、5カ月ぶりに過去最高を更新した。

 業態別では、都市銀行が0.9%増の198兆1741億円。地方銀行は3.3%増の216兆532億円と、7カ月連続で過去最高を記録した。第二地銀は2.1%増、信託銀行は0.3%減だった。

 

地銀はもしかすると大怪我を負う融資拡大に突き進むのか、適正コストを確保できない融資は断固として断るかの岐路に立たされている。後者は糧道を絶つのであるから、長期的にはその銀行は消滅するかもしれない、平時では選択されない戦略である。すべての銀行が生き残りを賭けて融資拡大にのめり込めば、ハーメルンの笛吹き男の後をつけた子供たちのように、山の穴倉へ入って二度と戻らなくなってその町に子供達がいなくなった事の様になるかもしれない。

 

社長の知恵袋〜いい会社経営のヒント~

https://www.attax.co.jp/e-kaisha/%E7%B5%8C%E5%96%B6/chigin1004/

地銀の利鞘の推移が乗っています。2007年の2%弱から2018年には1%程度にまで一貫して下がり続けています。

運用残高に対する経費比率は地銀平均で0.8~0.9%程度ですので、利息では殆んど経費を賄えておらず・・・。

貸倒率(信用コスト)は2008年から下がり続けここ数年はほぼ0%だったのですが、2017年から上昇に転じ、2018年は0.1%程度となっています。