東芝:これでは期待できない企業統治改革

8/19日経は「東芝、背水の新体制」「議長決まらず」「室町社長も暫定」と報じている。
これでは旧態依然であって、新しい企業統治体制の確立、取締役会の改革につながらない。

「(取締役会)議長決まらず」とは異常な事態であるが、日経はその経緯を色々な意見の綱引きを報じるだけで、あるべき姿からの批判・分析を欠いている。

「同社は月内に議長人事を詰める考えだが、人選の過程で再び混乱を招くようだと、信頼回復は遠のきかねない」と批判的に評しているが、議長が決まらない異常さには何のコメントをしていない。

東芝が本来の取締役会の方向を目指すのであれば、現取締役会は新しい取締役会議長を選び、彼のもとで有力な取締役候補、特に指名委員会メンバーを決め、そのメンバーと共に新たな取締役とCEOを選定すべきである。

それが先に室町氏が社長候補となり、その背後で西室氏が動いているようでは、旧態依然の行動原理のもとで上辺だけを取り繕ったとしか言いようがない。

企業社会のお手本となる東芝がこの有様では、日本企業の企業統治改革の道のりは遠いと言うべきである。

その間に(伝統的な会社はどこも真似できない)ソフトバンクのような鬼っ子が新しい時代を切り開いていくのではないだろうか。