ソフトバンク副社長が600億円で自社株買い

SBのニケシュ・アローラ副社長が自己資金を投じて600億円相当のソフトバンク株式を買う(8/20日経)。

これで少し前に世間をビックリさせた165億円の巨額報酬のからくりが分かる。
税引き後の手取りを120億円とすると、これを元手に600億円の自社株買いを行うのである。副社長にとって、2割までの株価下落は耐えられる。それ以下には株価を下げないという強いコミットメントである。上は青天井である。

報酬にせよ自社株買いにせよスケールが大きすぎてついていけないけれど、企業統治の観点からは理に適う。
経営者が自社株を持つことは、株主と利害を共通することになるので好ましいとされる。

孫社長は良い経営者がいれば会社は発展すると考えている。企業統治はお飾りのようにしか思っていないのだろう。だが孫社長の考えの基本にあるのは、どうすれば株主を満足させられるかである。この大本がゆるぎなければ、株主は孫氏を支持するだろう。そしてアローラ氏も。

一つだけ注文を付けるとしたら、寡占化した業界の中でふんだんに生み出されるキャッシュフローの使い方として、ユーザーへの還元も考えて欲しい。