ソニーに復活して欲しい

ソニーは経営建て直しのために改革を繰り返している。特に、企業統治は欧米並みとなって、取締役の構成を社内を最小にし、殆どを社外にしている。それでも業績は立ち直らない。なぜか。

ソニーの改革で手付かずの分野が一つある。それは、CEOに何時まで経っても社内で純粋培養された人間が任命されていることである。これは神聖にして侵すべからざる聖域なのだろうか。

ソニーの16年度営業利益予想は3,000億円と前期比4倍強で、株価もこのところ堅調である。
この営業利益予想は、映画、音楽、金融で稼ぐもので、本来の事業であったエレキからは殆ど利益は出ていない。Q3セグメント別営業利益は、映画62億円、音楽254億円、金融509億円、合計825億円である。これを4倍して年間ベースに引き直すと、3,300億円である。エレキは少し足を引っ張っている。
ソニーは、人々を驚かせる会社ではなくなって、映画、音楽、金融でやっていく、面白味のない平凡な会社になってしまった。これは危機を経て会社が存続する一つのあり方であろう。では、人々をビックリさせるカッコいいガジェットを作ることは出来ないのか。

取締役会が本来の機能を発揮して、現在の経営陣を入れ替え、外部からCEOを招くことが出来るのではないだろうか。アマゾンのジェフ・ベゾスのような人が来れば、まだ活用しきれていないソニーの潜在力を解き放ってくれるのではないだろうか。

ジェフ・ベゾスが来なくても、ソニーは二つの問題を直視し、どちらかを克服する必要があるように思われる。
1. 何を作っていいのか分からない。
消費者の好みが掴めていない。Ipodと似たものを作ったが、売れなかった。そこがアップルとの分かれ目となった。スマホは後追いで、魅力がない。

2. 製造能力が、台湾、中国、韓国メーカーより劣る。
薄型テレビ、PC,スマホは、ぜんぜん勝負にならなかった。大量に、早く、安く生産する技術は、台湾、中国、韓国メーカーにあることを認めるべきであろう。

これらの課題を自前で解決することには疑問がある。なぜなら、既に何年も試行錯誤を重ねてきたであろう。その結果、成果を生み出していないのだから。むしろ、ここは割り切って他社とのアライアンスに進むのが良いのではないか。その分野の巨人と。例えば、アマゾンとかホンハイとかである。

これはノスタルジーではない。国際競争を勝ち抜く強力な企業があって、日本人の賃金は上昇し、日本全体が豊になるからである。

4/27 ヤフーファイナンス  ソニーが反落、16年3月期営業利益が3000億円との報道、市場予想には届かず売りに押される
http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20150427-00116306-mosf-stocks
25日付の日本経済新聞は、同社の16年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が約3000億円と前期の4倍強に増える見通しと報じた。市場予想では約4070億円程度とみられていることから、売りに押される展開となっている。