日経のFT買収、経済合理性に疑問も

これで日経の記事の質が高まったり、購読料が安くなるなら大歓迎だ。逆に買収価格が高すぎて、購読料値上げなんてなったら読者離れに拍車をかけることになる。

ロイターの下記の記事は、買収価格に疑問を投げかける。

7/24日経は、買収価格は£844M。下記ロイターでは13億ドルとされる。
ロイターによればFTの14年の業績は、売上£$18M、営業利益は$37M。

2015年 07月 24日 09:20 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
コラム:日経のFT買収、経済合理性に疑問も
http://jp.reuters.com/article/2015/07/24/ft-m-a-nikkei-breakingviews-idJPKCN0PX2SZ20150724
Jennifer Saba
[ニューヨーク 23日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 日本経済新聞社は、英国の経済紙フィナンシャル・タイムズ・グループ(FT)の買収で大胆な一歩を踏み出した。だがFTを親会社ピアソン(PSON.L)から13億ドルで買い取ることが、果たして金銭的な観点から妥当かどうかは疑わしい。

日経は相当大きな名声を手に入れるのは確かだ。しかし冷徹な経済合理性だけを考えるなら、調整後営業利益の35倍、そして実質価値のおよそ3倍の金額を支払ったことになる。

他の欧州系メディアの株価は、調整後営業利益の10─15倍で取引され、平均は12倍だ。買い手がそれなりのプレミアムを乗せるのは予想されるとはいえ、FTの場合、調整後営業利益に対する買収額の倍率は、米アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)が2013年にワシントン・ポスト紙買収で所有者グラハム一族に支払った金額の2倍前後にもなる。

こうした目の飛び出るような高額のプレミアムは、FTの財務面での先行きが不透明な点からすれば、なおさら驚かされる。デジタル化に向けた最初の関門をほぼ突破したFTは、これから着実な増収を確保する道筋を発見していく可能性はある。ただしこれまでの業界全般の流れは読者と広告主のマスメディア離れの加速化であり、デジタル化の取り組みは紙媒体と同じだけの成果を生み出せていない。

FTはかなり順調な歩みをたどってきた。電子版の購読を先駆的に導入した新聞の1つであり、現在は72万人の購読者の70%を電子版が占める。FTの14年の収入が約5億1800万ドル、営業利益は3700万ドルに上ったことも公表されている。一方でピアソンは、FTがどれだけ収入ないし営業利益を伸ばしてきたかについては、詳細を明らかにしていない。