安倍首相:言いたい放題の発言

安倍首相と彼の周辺が最近、意味不明の主張や戦前を肯定する発言を繰り返している。

「我が軍」、「(首相にも)言論の自由はある」、「(従軍慰安婦は)人身売買の犠牲者」、「私は歴史修正主義者ではない」、「八紘一宇」などなど。

これらの発言は、本音が思わず出たということではなく、意図的に拡散する狙いがあるように思える。日常的にこのような言葉に慣らしておけば、そのうち国民は不感症になって何も言わなくなる、と。

それだけでなく、ここ最近では露骨に自分の主張を通そうとする。どうやら、訪米のお膳立てが整い、主要メディアも意のままに動かせ、国内では遠慮するところがなくなったということなのであろう。ごく最近では次のような発言があった(下記引用記事を参照)。
1. 国立大でも国旗国歌を=安倍首相
2. 格付け会社にしっかりと働きかけることが重要ではないか


戦後レジームからの脱却」は「戦前レジームへの回帰」であることがハッキリしてきた。
安倍氏の議論の作法は論点すり替え、開き直り、(相手方の)誤解、たまに自説を主張する。その自説には首をかしげるものが多い。だから国会などで野党が議論を挑んでも、話がかみ合わない。

1. 国立大学で国旗・国歌

国立大でも国旗国歌を=安倍首相
時事通信 4月9日(木)12時42分配信

 安倍晋三首相は9日午前の参院予算委員会で、国立大学の入学式や卒業式で国旗掲揚と国歌斉唱を行うことが望ましいとの認識を示した。首相は「学習指導要領がある中学、高校では実施されている。(国立大でも)教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべきだ」と述べた。
 次世代の党の松沢成文氏が「ほとんどの国立大学で国歌斉唱を実施せず、国旗を掲揚しない大学も12から13ある」と指摘したのに答えた。 

2/14日経社説より抜粋
国立大学の入学式などでの国旗・国歌の扱いについて「税金によって賄われていることに鑑みれば、教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべきではないか」と述べた。
「「基本法にのっとって」と述べたのは同法の「わが国と郷土を愛する」のくだりを指しているようだが、大学についての条文にも目配りがほしいものだ。


2. 格付け会社にしっかり働きかける
4/15日経「黒田総裁、首相への直言 全容は・・・」「国債保有規制に強い懸念」では、2/12の経済財政諮問会議で黒田総裁が「(ドイツ、アメリカ、イギリスは)銀行が自国の国債を持つことについても資本を積むべきであると主張している」「(銀行は)国債を手放してしまうかもしれない」と主張したのに対し、安倍首相は「格付け会社にしっかりと働きかけることが重要ではないか」と応じた。

安倍首相の応答は、事態を理解できていないのではなく、安倍流のレトリック、(格付け会社に)「誤解」があるからそれを解消して欲しいということであろう。

「誤解」とは便利な言葉だ。自分は常に正しく、悪いのは理解できない相手であるという立場である。相手から学ぼうとする謙虚な姿勢はない。