生産性革命は成功するか

アベノミクスの生産性革命は、仮に実現したとしても成長率への寄与は少ないことを小川一夫教授は日経経済教室で示している。

12/22日経経済教室「企業の期待成長率高めるには」小川一夫・関西外国語大学教授は「消費の安定的な増加カギ」と主張する。
ポイントは
アベノミクスでも企業の期待成長率低下
・企業は需要要因の中でも消費増加率重視
・安定的な雇用と持続可能な社会保障必須


消費を安定的に伸ばす政策が必要。
12年度から16年度まで消費が毎年2%のペースで伸びたとすれば、今後5年間の成長率を1.02%引き上げる。16年度成長率は1.00%だったので、成長率は2倍以上になる。


供給要因の成長率に与える効果。
15年度の資本ストック増加率は2%のままで、労働投入増加率が0.1%から1.0%に、全要素生産性上昇率が0.2%から1.0%に高まったとしても、長期の成長率を0.17%高めるに過ぎない。


これは当然のことで、いくら優れた人材や高性能の設備を持っていても需要がなければ宝の持ち腐れとなって、資源の稼働率が下がるだけのことである。デフレを促進することになる。当然のことを小川教授は数値から裏付けたのである。