ギリシャ連立政権発足、支援条件の見直しへ

CNNJapan 6/21ギリシャ連立政権発足
ギリシャ連立政権発足、支援条件の見直しへ
http://www.cnn.co.jp/world/30007060.html

アテネ(CNN) ギリシャ議会の再選挙で第1党となった新民主主義党(ND)は20日、第3党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)、第6党の民主左派と連立政権樹立で合意し、NDのサマラス党首が首相に就任した。

サマラス首相は組閣作業に着手、ギリシャ国営放送によれば新内閣は21日に発足する見通しだ。

新政府は国際通貨基金IMF)や欧州連合(EU)などからの支援の前提となっている緊縮財政策について、条件の緩和に向けた再交渉を行うもようだ。

PASOKと民主左派は、所属議員を入閣させず、閣外から協力するものとみられる。PASOKのベニゼロス党首は、新政府の最重要課題として、支援条件の再交渉に向けた特別チームの発足を挙げた。

ギリシャは6月末までに追加の歳出削減案を発表する必要がある。専門家は、28〜29日にかけて開かれる欧州連合(EU)首脳会議での条件緩和に向けた再交渉が、新政府の最初の試練になると指摘している。


6/19(火)日経社説は、「ギリシャ緊縮派勝利は危機克服の糸口」と新連立政権への期待を表しているが、6/21(木)に報じるところではギリシャはすでに事実上の支払い不能に陥っていて、支援が途絶えればユーロ離脱を余儀なくされよう。

6/21日経「ギリシャ、3党連立へ」「歳出削減期限 EUに延長容認論」では、「資金はいつまで持つのか」という問いに対し、次のように答えている。

金融支援がなければ7月中にも資金が枯渇するようだ。EUは5月に予定した52億ユーロの融資のうち、10億ユーロの支払いを延期していたが、連立政権の樹立を受けてこの分は支払うもよう。ただ、7〜8月には国債の利払いや償還も多く、次のまとまった融資が欠かせない。
EUの融資がなければ、政府が工事費など年金や賃金以外の支払いをまず延期することになる。年末までは持つとの現地報道もあるが、いずれ行き詰る。

新連立政権の構成を見ても、PASOKと民主左派は閣外協力で、中心与党のNDとは距離を置いているようだ。
選挙の結果は、選挙前の状況がそのまま続いているということであるので、これまで通りの支援交渉を続けそれが途絶えたときにユーロ離脱が現実となる。とても日経社説のように、「ギリシャ緊縮派勝利は危機克服の糸口」などと楽観的にはなれない。