Risks rise as Europe’s banking ties fray by David Wessel

6/13/12 The Wall Street Journal (WSJ)
Risks rise as Europe’s banking ties fray by David Wessel ( economics editor for The Wall Street Journal )
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702303444204577462162917208578.html?mod=WSJASIA_hpp_MIDDLEThirdNews
上記からの抄訳。特に目新しいものはない。国内メディアはギリシアにこだわっているが、それは既定のこととして関心は別に向かっている。


ユーロ存続の最大の脅威は、ギリシアのユーロからの離脱ではないかもしれない。その脅威とは、ヨーロッパ全体の銀行システムが統合から自国へ回帰することなのかもしれない。
ギリシアの離脱より大きな問題は、ここ10年のヨーロッパの銀行の国境を越えた統合が解体していくことである。これは、南部および中部ヨーロッパから与信を奪い、彼らの経済的苦悩を拡大するだけでなく経済的実体としてのヨーロッパという概念をリスクにさらすものである。

2011年末のユーロ圏内の銀行間貸付残高は、ピークであった2008年のそれを60%下回っている。資金は通常の銀間取引ではなく、ECBを経由している。資金は自国に回帰し、資本増強の要請は海外への貸付を削減することになった。

これは、最近のスペインの出来事以前から起きていたことである。

これが最近では政府の財政健全化の報道が減り、統合的に銀行を支援する報道が増えてきた理由である。

スペインの銀行の救済の先には、汎ヨーロッパ銀行監督機関(おそらくECB)の機能強化、汎ヨーロッパ預金保険の創設が語られている。これは、健全な銀行を抱えるドイツやフランスにとって愉快なことではない。しかし、通貨統合は危険なほど不完全であった。ほとんどのユーロは銀行預金で創造されている。故に、今や明らかなように、統合された銀行監督機関が必要なのである。ヨーロッパはその重要性を認識しつつある。