The Hole in Europe’s Bucket

ギリシア首相の国民投票発言で、ユーロの動きが定まらない。こんな動きを想定していたのが、ポール・クルーグマン(PK)の10/23/11付けNYTのコラム“The Hole in Europe’s Bucket” だ。その中で古くからの童謡 ”There’s a Hole in My Bucket” を引用して、ユーロを安定させようとしてもそれが支援するユーロの大国(イタリアやフランス)に跳ね返って堂々巡りで解決にはならないと指摘している。

PKの処方せんは、(珍しく)日本、英国、アメリカは自国通貨を有して独自の金融政策を展開できるので、財政赤字や公債残高が高くとも、ユーロ型の危機は訪れないとして、ECBがユーロを増刷してソブリン債を買いまくれば危機は劇的に収まるとしている。

だがPKはそのような展開は起こりそうもないと診ている。ECBはインフレ予防をもっぱらとして、金本位制のような頑固さで金融政策を運営しているからだ。このままでは1930年代の悲劇が再現される危機が現実的になりつつあると述べている。

PKの最終結論は、今の制度が維持されるならつらい真実であるが、ユーロはすぐにでも崩壊したほうがましだという。

ECBがスタンスを変えるかユーロがほころびるか、いずれにしてもその時に真の円高局面が訪れるであろう。安住財務相の「納得いくまでやる」というのは、余りにナイーブでその前に弾が尽きてしまうだろう。

But there's a hole in my bucket, dear Liza, dear Liza.